JRA M.デムーロ”逃した魚”は大きかった!? 京王杯2歳S(G2)リフレイム“更生”で木幡巧也に「千載一遇」の大チャンス!
7日(土)の東京メインは短距離2歳重賞、京王杯2歳S(G2)が開催される。注目は何といっても2戦2勝のリフレイム(牝2歳、美浦・黒岩陽一厩舎)だ。
衝撃のデビュー戦は7月の新潟マイル戦が舞台だった。逃げたリフレイムは、直線を向くと外ラチいっぱいに大きく斜行。1頭だけ「千直」レースのような走りを見せた。大きな距離ロスがあったにもかかわらず、勝ち上がったことで大きな話題となり、そのポテンシャルが広く知れ渡った。
しかし、あまりの逸走ぶりに、当然のごとく平地調教再審査が課され、その後は、北海道の山口ステーブルに移動。陣営は2か月以上の時間をかけて、悪癖の“修正”に乗り出した。
そして迎えた2戦目は先月25日に行われた東京芝1400mの1勝クラスの一戦。「勝負は二の次」という陣営の言葉とは裏腹に、最後方から豪快に差し切り勝ちを収めた。直線で斜行することもなく、しかも「6~7分の仕上がりだった」というからその能力には驚くしかない。
陣営の努力が実を結び2連勝を果たしたリフレイム。次に待ち受けるのは、中1週というローテーションだ。4日には、北馬場のCダートコースで軽めに追い切られ、陣営も納得の素軽い脚さばきを見せた。3戦目であの悪癖が顔を出さなければ、陣営も自信を持って「更生を遂げた」と言っていいだろう。
「もともとリフレイムはかなり期待値が高かったです。デビュー戦には当初、M.デムーロ騎手が乗る予定でした。しかし、デムーロ騎手が調教で騎乗した際、制御不能になり、『危な過ぎて乗れない』と断ったという経緯があったようです」(競馬記者)
そこで白羽の矢が立ったのが木幡巧也騎手だった。同期には藤田菜七子騎手、坂井瑠星騎手などがいる5年目、24歳の関東期待の若手ジョッキーだ。
これまで重賞を2勝しているが、いずれも人気薄での勝利。今年2月には、16番人気のミライヘノツバサでダイヤモンドS(G3)を制し、単勝3万2550円という大波乱を演出したのは記憶に新しい。5月には、同じコンビで天皇賞・春(G1)に出走し、待望のG1初騎乗も果たした(12着)。
これまでJRAの重賞には45回騎乗しているが、そのほとんどが人気薄。もしリフレイムが1番人気に支持されれば、木幡巧騎手にとって重賞では初めての経験。プレッシャーをはねのけて、3連勝を飾れば、今後の騎手人生を大きく変えることになるかもしれない。
デムーロ騎手がデビュー戦の騎乗を断っていなければ、出会っていなかったかもしれない運命のコンビ。落馬寸前の状態で何とか先頭でゴールインした新潟のデビュー戦が伝説の序章なら、今度は第3章。このレースでジャガード(抽選対象)に騎乗予定のデムーロ騎手に「逃した魚は大きかった」と思わせるような走りを見せられるだろうか。
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