JRAキズナ、ウオッカ輩出の出世レースに意外な「ジンクス」あり!? 「600万円」棒に振っても、“3000万円”見返りの可能性
15日、阪神9Rに黄菊賞が行われる。1勝クラスの2歳戦だが、過去にはキズナやウオッカを輩出した注目の出世レースだ。
例年、小頭数で行われており、今年も5頭立てでの開催となる。わずか5頭の出走メンバーだが、この中に未来のスター候補がいるかもしれない。
C.ルメール騎手のアドマイヤザーゲ(牡2歳、栗東・友道康夫厩舎)は、9月に小倉の新馬戦を3馬身差の快勝。日本でもお馴染みのO.マーフィー騎手は、自身のTwitterでこのレース映像をリツイートしており、世界の名手も一目置く存在と呼べるだろう。
また、川田将雅騎手のクインズラベンダー(牝2歳、栗東・西村真幸厩舎)も侮れない。10月の中京芝2000mで行われた新馬戦はルージュバックの半弟テンカハルを2着に下して、さらにレコード更新のおまけ付き。2着馬が次走の未勝利戦を勝ち上がっていることも、レースレベルの高さの裏付けである。
他には土曜のデイリー杯2歳S(G2)から矛先を変えたワールドリバイバル、ハービンジャー産駒のスタッドリー、ジャングルポケット産駒のニホンピロマリブが出走予定。注目の1戦となりそうだ。
黄菊賞は出世レースと呼ばれているが、実は2着馬の方が大成する傾向にある。
昨年の勝ち馬シンプルゲームはその後1走もすることなく引退。その一方、2着のポタジェはプリンシパルS(L)でタイム差なしの2着に好走し、現在は2連勝中で3勝クラスまで上り詰めた。
その一方で、18年の勝ち馬コスモカレンドゥラはオープンクラス、2着馬オールイズウェルが3勝クラスと、勝ち馬が現在リード。だが、16年と17年は2着馬の方が結果を残している。
過去20年の黄菊賞1着馬と2着馬の生涯成績を比較すると、その格差が浮き彫りになる。
●黄菊賞1着馬(キズナ、トゥザワールド、ヤマニンキングリー、サイレントディールなど)
平均生涯獲得賞金:1億3132万円
重賞:14勝
G1:1勝
●黄菊賞2着馬(ウオッカ、トールポピー、エイシンチャンプ、トリコロールブルーなど)
平均生涯獲得賞金:1億6326万円
重賞:16勝
G1:10勝
なんと、1頭当たりの生涯獲得賞金で約3000万円も2着馬が上回っているのだ。また重賞勝ち、G1勝ちにおいても上。これにはG1・7勝を挙げたウオッカの存在が大きく影響しているが、1着馬からはキズナしかG1を勝っていないのに対して、2着馬からはトールポピー、エイシンチャンプがG1勝ちを収めている。
「現在、黄菊賞の賞金は1着が1010万円、2着が400万円です。あくまでも平均ですが、最終的に2着馬はこの600万円差をひっくりかえしていることになりますね。ここで敗れたとしても、将来的には2着馬の方が大化けの可能性があるという不思議なジンクスですね」(競馬記者)
黄菊賞は勝ち馬探しだけでなく、2着にも注目するとおもしろいかもしれない。
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