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ジャパンC(G1)は「武豊騎手&キタサン」祭り!1番人気のキタサンブラックが堂々の逃げ切り完勝!「最高の形」で年末の有馬記念へ

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kitasanburakkuJBIS.jpgキタサンブラック(JBISサーチ公式サイトより)

 雨の東京競馬場が、巨大な「ユタカコール」に揺れた。

 27日、東京競馬場で開催された第36回ジャパンC(G1)は、1番人気のキタサンブラックが見事に優勝。堂々の逃げ切りでG1競走3勝目を果たした。

 日本馬14頭に、外国馬3頭を加えた17頭で行なわれた今年のジャパンC。戦前から「豪華メンバーが揃った大混戦」と言われていた通り、1番人気のキタサンブラックが3.8倍、2番人気のリアルスティールが4.2倍、3番人気のゴールドアクターが4.5倍で続くなど、その傾向はオッズにも大きく反映した。

 良馬場発表ながら小雨が降る中で切られたスタート。まず絶好枠の1枠1番から飛び出したキタサンブラックがハナを主張すると、中からワンアンドオンリー、外からは意外にもリアルスティールも先団に取り付いた。

 だが、大方の予想通り、積極的にキタサンブラックに競り掛けようという存在は見当たらず、1コーナーを回る頃にはキタサンブラックが単騎逃げの形に。

 2番手にワンアンドオンリー、それを見るような形でゴールドアクターとリアルスティールが続いた。さらにルージュバック、サウンズオブアース、ビッシュ、シュヴァルグランなどが中団を形成。人気の一角ディーマジェスティは、後方から3番手の競馬だった。

 1000mの通過は61.7秒。雨が降っていたとはいえ、芝1800mの10R(1600万下)の1000mの通過が60.5秒ということを考慮すれば、やはり遅いと述べざるを得ない。

 つまりは完全にキタサンブラック、いや、その鞍上の武豊騎手のペースだったということだ。

“ユタカマジック”がレースを支配する中、キタサンブラックが先頭のまま、各馬が最後の直線へ。この日は雨の影響で極端に内側が荒れていたので、先頭のキタサンブラックも馬場の4分所に持ち出され、追いかける各馬も少しでも良い馬場を確保するために外に大きく広がった。

 残り400mを切ってまず抜け出したのは、やはりキタサンブラックだった。このペースで十二分に脚が溜まっていたのだろう。ぬかるんだ馬場を物ともせず、力強く後続を突き放す走りは、まさに「王者の風格」さえうかがえる。

 ゴールドアクターとリアルスティールが必死に食らいつくが、そこに外からM.デムーロ騎手のサウンズオブアースが強襲。2頭を飲み込むと、死力を絞ってキタサンブラックを猛追する。さらに外からは、シュヴァルグランも良い脚で伸びてきた。

 しかし、キタサンブラック、そして武豊騎手が作り上げたセーフティーリードはあまりにも盤石だった。サウンズオブアースの追撃もむなしく、キタサンブラックが最後までまったく危なげない走りで堂々と先頭でゴールに飛び込んだ。

「すごくうれしいです。ほんとに強かった。極限の仕上げでしたし、先手を獲れたら波のないイーブンペースをと思っていました。メンバーがメンバーだったので、(最後まで)気が抜けなかったですね」

 勝利騎手インタビューでは武豊騎手が、そう喜びを表現。先日、「この秋、一つくらいは……と密かに燃えていたG1レースで、まだ爪痕さえ残すことができないまま」と、ここまでの秋G1で結果に悔しさを露わにしていただけに、馬上では力の入ったガッツポーズが見られた。

 ここまで意外にも1番人気でG1を迎えたことがなかったキタサンブラックだったが、初の”主役”を務め切り「国内最強の走り」をライバルたちに見せつけた格好。

 これには東京競馬場に駆けつけていた演歌界の大御所・北島三郎オーナーもご満悦。先日、頸椎症性脊髄症の手術を行ったばかりだったが、表彰式で「泣きました。涙がボロボロ出ました。俺、歌わないわけにはいかないでしょう」と持ち歌の『まつり』を熱唱。最後はスタンドからの大きな拍手に包まれた。

 一方で、藤岡健一調教師が「生涯最高の仕上げ」と自信を持って送り出したサウンズオブアースだったが、中団から鋭く末脚を伸ばしたものの2着。雨の中を力強く伸びたが、またも”一枚”足りなかった。これで3度目のG1競走2着となる。

 3着にはアルゼンチン共和国杯(G2)を勝った勢いで乗り込んできたシュヴァルグラン。最後には見せ場を作ったが、やはり大外枠からの発走が響いたか。ただ、このメンバーで結果を残せたのは、この馬にとって大きな収穫だっただろう。

 一方で、2番人気のリアルスティール、3番人気のゴールドアクターと共にキタサンブラックを見るような形で先団からレースを運んだが、イマイチ伸びきれずに4着と5着。スローペースでキタサンブラックが逃げ切っている以上、レース内容自体は決して悪くないが、今後どういった形で王者を倒すのか。大きな課題が残った。

「無事なら、この次は有馬記念にトライするはず。まずはそこですね」

 そう勝利騎手インタビューを締めくくった武豊騎手の視線は、すでにその先を捉えている。そこには年末の有馬記念(G1)があり、今年の年度代表馬があり、そして来年の凱旋門賞(仏G1)という大きな野望があるはずだ。

 今や、競馬界を代表するスターホースに登りつめたキタサンブラック。今後、レースの内容同様、ライバルたちを如何に牽引していくのか。ジャパンCを勝っただけに、その動向は日本だけでなく、世界も注目することとなるだろう。

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