【徹底考察】チャンピオンズC(G1) コパノリッキー「逆転へ。過去2年と激変した状況が『鬼門』を打ち破る!元王者が手にした『進化』と『真価』とは」
コパノリッキーは中京のダート1800mにおいて、1000mの通過タイムが昨年の東海Sのように61.2秒よりも遅ければ本来のパフォーマンスを発揮し、昨年のチャンピオンズCのように60.2秒まで早くなればオーバーペースで撃沈する。
その差は1秒あるが、今年はどちらに触れるだろうか。メンバー構成から考察したい。
まず、昨年のチャンピオンズCで本馬に絡んでいったクリノスターオーとガンビットの姿はない。これは本馬にとって大きな材料だが、同時に今年は前哨戦のみやこSを逃げたモンドクラッセと、武蔵野Sを逃げ切ったタガノトネールが合流してくる。無論、アウォーディーやホッコータルマエといった強力な好位集団も控えており、逃げ馬にとってのメンバーレベルは昨年と大きく変わらないだろう。特にモンドクラッセはハナへのこだわりが強く、京都のダートながらみやこSでは1000mを61秒で通過している。
したがって、コパノリッキーが今年もハナにこだわろうものなら、昨年の二の舞になる可能性が極めて高いということだ。
ただ、今年のコパノリッキーが復調したのはハナへのこだわりを捨て「進化」したからだ。
実際に冒頭で触れたG1競走3連勝はすべて番手での競馬。敗れはしたものの、前走のJBCクラシックでもハナに立ったのは勝負所に入ってからだ。したがって、今回も行きたい馬に行かせる戦法を取ることで、昨年のように大きく崩れる心配は確実に減少するはずだ。
そして、この馬にとって大きいのが、自身の1番人気が陥落したことだ。
実際に本馬はG1を8勝しているが、1番人気に応えての勝利は実は2勝しかない。ライバルのG1・10勝馬のホッコータルマエが、7勝を1番人気で挙げていることと比較すれば異様な少なさである。
ここからわかることは、コパノリッキーが「マークされる展開に弱い」ということ。実際に1番人気でのG1成績は2勝4敗。脚質的な問題も含め、気楽に走った方が力を発揮するタイプである可能性は、かなり高いということだ。
そして、アウォーディーの徹底考察でも触れたが、新パートナーのC.ルメール騎手もまた、こういった展開で力を発揮してくる騎手。大本命を負かす手腕は天才的な名手だ。
1番人気という”枷”がなくなったコパノリッキー。距離も短縮されて「真価」を発揮できる今回こそが、ライバル・アウォーディーとの本当の戦いになるかもしれない。
(監修=下田照雄(栗東担当))
PICK UP
Ranking
17:30更新- ルメール軍団「誤算続き」で迷走中?使い分けの弊害に一部ファンから疑問の声
- クロワデュノール「世代最強説」に現実味も…ダービー馬候補が未勝利戦より遅い時計の怪
- 武豊×ドウデュース完全包囲網で波乱含み!?豪華メンバーのジャパンCにチェルヴィニア、ブローザホーン、オーギュストロダンら最強メンバー集結。レジェンド元JRA騎手の見解は?
- 「別競技」の高速馬場で欧州最強マイラーの意地見せたチャリン!ジャパンC参戦オーギュストロダン、ゴリアットに朗報?
- C.ルメール「アンラッキー」な過怠金に謝罪…マイルCSでも「牝馬のC.デムーロ」の手綱冴えるか?
- エアスピネル降板に武豊騎手は「何」を思う……8年前、すべてを手にしてきた天才騎手が”最大級”の屈辱を味わった「ウオッカ事件」とは
- 【京都2歳S(G3)展望】藤田晋オーナーの大物エリキングが登場! ジョバンニ、サラコスティがリベンジに燃える
- 【ジャパンC(G1)展望】「ディープ」オーギュストロダンVS「ハーツ」ドウデュース、2005年有馬記念から19年越しの最終決戦!
- 春のG1戦線に水を差す「醜聞」続く…現役騎手の父に詐欺容疑、G1馬オーナーが逮捕
- 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛