【徹底考察】チャンピオンズC(G1) ゴールドドリーム「3歳の新星が亡きタガノトネールの意志を継ぐ!立ち塞がるはライバルよりも巨大な『データ』の壁」
前身もジャパンCダートを含めると、クロフネ、アロンダイト、カネヒキリが3歳で勝利するなど、総合的には3歳馬の相性は決して悪くない。ただ、その頃は古馬と3歳馬の斤量差が「2kg」あった。しかし、ジャパンCダートは2014年に中京へ移動し、その名をチャンピオンズCに変えてから3歳馬のアドバンテージは「1kg」となっている。
何故、そのような変更がなされたのかは定かではないが、その後の3歳馬の成績は[0.1.0.2]。昨年のノンコノユメが2着を確保しており、サンプル数が少ないもののノーチャンスではないというデータが出ている。
だが、当時のノンコノユメは事実上3歳トップの存在だった。前哨戦の武蔵野S勝利や、ジャパンダートダービー(G1)制覇を含む4連勝中でまさに世代交代の旗手。本番でもコパノリッキー、ホッコータルマエの2大巨頭に続く3番人気に支持されていた。
逆に述べれば、これほどの実績や勢いがなければ2着にくることも難しいのではないかと考えることもできる。
筆者が何故、この「1kg」の差にこだわっているのかと述べると、マイルCS(G1)もまたチャンピオンズCと同様の条件で施行されているレースだからだ。ちなみに、3歳馬と古馬が合流する秋のG1開催で両者の斤量差が2kgではなく「1kg」なのは、このチャンピオンズCとマイルCSだけである。
そして、このマイルCSはすでに2001年から3歳馬と古馬の差が1kgとなっており、2000年にアグネスデジタルが優勝してから16年間、3歳馬の優勝は1頭もいない。
それどころか近10年に限れば、3歳馬は[0.0.1.33]と壊滅状態にある。そこには今年のロードクエストや、昨年のアルビアーノなどの有力3歳馬も数多く含んでいることは述べるまでもないだろう。
無論、マイルCSとチャンピオンズCでは施行条件がまったく異なるので、一概に「3歳馬が不利」と述べることはできないかもしれない。
ちなみに、現行の形になってから挑んだ3歳馬の成績は[0.1.0.2]と述べた通りだが、着外だったのは昨年のダノンリバティと一昨年のカゼノコ。前者はレパードS(G3)で2着があった他、シリウスS(G3)では古馬を相手に2着と結果を残しており、後者はジャパンダートダービーの勝ち馬だった。つまり、本馬と同格かそれ以上の実績があったということだ。
先述した通り、昨年にノンコノユメが2着している以上、3歳馬をノーチャンスと述べるつもりはない。だが、マイルCSのケースに当てはめると「1kgのアドバンテージ消滅」は決して小さくはないように思える。これは当然、同じ3歳馬のラニにも言えることだが、傾向がはっきりするまで3歳馬を過信するのは早計といえるだろう。
(監修=下田照雄(栗東担当))
PICK UP
Ranking
23:30更新- クロワデュノール「世代最強説」に現実味も…ダービー馬候補が未勝利戦より遅い時計の怪
- ルメール軍団「誤算続き」で迷走中?使い分けの弊害に一部ファンから疑問の声
- 武豊×ドウデュース完全包囲網で波乱含み!?豪華メンバーのジャパンCにチェルヴィニア、ブローザホーン、オーギュストロダンら最強メンバー集結。レジェンド元JRA騎手の見解は?
- 「別競技」の高速馬場で欧州最強マイラーの意地見せたチャリン!ジャパンC参戦オーギュストロダン、ゴリアットに朗報?
- 武豊ドウデュースに「最強刺客」立ちはだかる…今年のジャパンCで「外国馬は消し」が危険すぎる理由
- エアスピネル降板に武豊騎手は「何」を思う……8年前、すべてを手にしてきた天才騎手が”最大級”の屈辱を味わった「ウオッカ事件」とは
- C.ルメール「アンラッキー」な過怠金に謝罪…マイルCSでも「牝馬のC.デムーロ」の手綱冴えるか?
- 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
- 【京都2歳S(G3)展望】藤田晋オーナーの大物エリキングが登場! ジョバンニ、サラコスティがリベンジに燃える
- 【ジャパンC(G1)展望】「ディープ」オーギュストロダンVS「ハーツ」ドウデュース、2005年有馬記念から19年越しの最終決戦!