JRA武豊メイケイエールは何故「ダメなパターン」でも勝てるのか。武英智調教師が語った意外な内面と、阪神JFへ導入された「秘密兵器」とは
「3強対決」が色濃い13日に行われる今年の阪神ジュベナイルF(G1)だが、3強の中で最も危うさを秘めているのはメイケイエール(牝2歳、栗東・武英智厩舎)だろう。
アーモンドアイが引退した今、現役No.1の呼び声も高いグランアレグリアでさえ、2歳時は気性面の幼さから単勝1.5倍に支持された朝日杯フューチュリティS(G1)で3着に敗れている。
そういった意味で、メイケイエールもまた非常に高い能力を有しながら、同時に危うさを秘めた存在と認識されているようだ。実際に『netkeiba.com』の事前予想では、3強の中で3番手。「どれか1頭、切るならメイケイエール」というファンも多く、馬券的に買い辛い馬であることは紛れもない事実だろう。
前走のファンタジーS(G3)は、まさに現在のメイケイエールを集約したようなレースだった言える。
スタートで出負けするも、前に行きたがって道中は引っ掛かり通し……鞍上の武豊騎手が「普通ならダメになるパターン」と漏らしたほど、そのレースぶりは“お粗末”と述べざるを得ないものだった。
しかし結果は、昨年の2歳女王レシステンシアを0.6秒も上回る2歳日本レコード勝ち。武豊騎手も自身の公式HPで「競馬へ行ったときに張り切り過ぎるのが諸刃の刃ですが、能力は非常に高い」と改めて評価している通り、危ういながらも世代の頂点に立てる素質を多分に秘めているのがメイケイエールだ。
その上で、今回は距離がさらに200m延長されたマイル戦。それもペースが落ち着きやすい阪神の外回りは本馬にとって試練と言えるだろう。実際に陣営からも「今回は外回りの1600なので不安はある」という声が漏れ聞こえている。
だが、ある記者は逆に「今が狙い時」という。
「そのレースぶりから、気性難と言われているメイケイエールですが、武英智調教師は『気性は本当にいい』と話していますよ。この馬が行きたがるのはレースだけで、パドックの周回や返し馬はむしろ上手な方。一般的な気性難の馬とは、少し異なります。
メイケイエールは師が『(レースで)前にいる馬を全部抜かすのが、自分の仕事だと思っているようで……』と話している通り、やんちゃというよりは真面目過ぎる馬。ですから、一度『レースとは、こういうもの』ということを覚えれば、競馬ぶりが一変する可能性があります。
そのカギとなりそうなのが、今回から装着しているクロス鼻革。効果はテキメンだったようで、調教の走りも非常にスムーズになっています。有り余るスピードを制御できるようになれば、このメンバーでも楽勝できるだけの能力は秘めていると思いますね」(競馬記者)
記者が語るクロス鼻革とは、口の閉まり具合を改善する馬具の1つだが、最近ではダノンプレミアムが天皇賞・秋(G1)で装着して4着と復活の兆しを見せている。また、かつては気性面に問題があったディープブリランテの陣営が導入し、日本ダービー(G1)制覇へ導いたことは有名な話だ。
さらに記者はメイケイエールのコンディションの良さを強調する。
PICK UP
Ranking
11:30更新- オーギュストロダン回避で「逆輸入対決」は実現せず…武豊、坂井瑠星に注目集まる凱旋門賞
- スピルバーグ、ラブリーデイが最後の勝利…天皇賞・秋の王道ステップに変化
- 「助手席に誰も乗っていない」「同乗者は制止不可能だった」謎多きJRAの説明…憶測飛び交う角田大河の函館コース侵入
- 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
- 「体重超過」大江原比呂が1日でダイエット成功!岩田望来や西村淳也も悩んだ過酷な体重管理
- 【シリウスS(G3)展望】フェブラリーS(G1)1番人気の大器オメガギネス登場!
- サイレンススズカ級は不在!混戦模様の毎日王冠はローシャムパークでもシックスペンスでもない“まさかの激走穴馬”急浮上!
- 【凱旋門賞(G1)展望】地元ソシエ&ルックドゥヴェガ有力も、日本のシンエンペラーに大きなチャンス
- 横山典弘ピューロマジック「9秒9」超えた稀代の韋駄天? 超速レコード持ち主はデュランダルに大楽勝
- JRA・G1「トレンド継続」で武豊らにチャンス到来!? 秋華賞(G1)有力馬に騎乗する今年G1未勝利ジョッキーは?
関連記事
JRA吉田隼人「ちょっと出来過ぎ」阪神JF(G1)ソダシ無傷の4連勝にまさかの「障害」。絶好調の鞍上「1年7か月ぶり」が最大の課題か
JRAドゥラメンテとモーリス「明暗」くっきり!? 阪神JF(G1)唯一の登録馬が「除外危機」も、朝日杯FS(G1)では立場逆転
JRA阪神JF(G1)武豊「能力相当ある」メイケイエール距離延長問題なし!? 白毛一族“異色”の素質馬はレシステンシアに続けるか
JRA武豊が阪神JF(G1)で「横山典弘超え」狙う!? 相性良好「はとこ」武英智師メイケイエールでJRA・GI最長間隔勝利記録更新なるか?
JRA阪神JF(G1) C.ルメール「G1連勝ストップ」に追い打ち。アーモンドアイ“後継候補” サトノレイナスに新たな「呪縛」が……