GJ > 競馬ニュース > オジュウチョウサンの「殿堂入り」は...  > 3ページ目
NEW

オジュウチョウサンの「殿堂入り」は何故、極めて難しいのか。JRAの手に余った障害王グランドマーチスの伝説

【この記事のキーワード】,

 障害馬としてのグランドマーチスが、如何に突出した絶対的な存在であったのか。それは本馬が障害9連勝を達成したことも然ることながら、そのあまりの強さにJRAが「競馬のルールを改変する」に至った経緯に象徴されているだろう。

 当時、春と秋の2度に渡って開催されていた中山大障害には「中山大障害を勝った馬は2kg増」というルールがあった。しかし、グランドマーチスが中山大障害5連覇をかけて挑んだ1976年に突如「中山大障害を1勝ごとに2kg増」にルールが変更される。

 この唐突なルール変更に直接関係があったのは、当然4連覇中だったグランドマーチスただ一頭。結局、本馬は「2kg×4」の8kg増の斤量66kgで出走し、他のライバルは皆58kgだった。

 常識的に考えれば勝てるはずもないのだが、グランドマーチスはそこでも2着に奮闘する。しかし、無理が祟ったのか次走のレース中に骨折し、そのまま引退を余儀なくされてしまった。

 当然、これで黙っていないのが当時のファンやマスコミだ。

 あまりにもピンポイント過ぎるルール変更に、グランドマーチス「1強」を快く思わない馬主会の圧力や、先述したハイセイコーの記録が塗り替えられるなど、障害馬としては目に余る活躍を良しとしなかったJRAの陰謀ではないかと騒ぎ立てた。

 結局、JRAは「障害レースの興味を増し、障害馬資源の充実を図るため」と説明するに留まったが、障害馬としては異例の引退式が行われるなど、グランドマーチスは間違いなく障害馬の領域を超えた特別な存在だったといえる。

 その後、障害馬として唯一の殿堂入りを果たしたグランドマーチス。ただ、そこに大きな「遺恨」を残してしまったJRAの”温情”があったのなら、オジュウチョウサンが殿堂入りを果たすのはますます難しいといえるだろう。

オジュウチョウサンの「殿堂入り」は何故、極めて難しいのか。JRAの手に余った障害王グランドマーチスの伝説のページです。GJは、競馬、, の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。ギャンブルの本質に切り込むならGJへ!

Ranking

5:30更新
  • 競馬
  • 総合
  1. 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
  2. アドマイヤ軍団が「G1・45連敗」武豊と絶縁し「40億円」と引換えに日本競馬界フィクサーの”逆鱗”に触れた凋落の真相?
  3. 武豊「スキャンダル」「ケガ」など揺れに揺れた2017年。弟・幸四郎騎手「引退」から小浦愛「不倫疑惑」、そしてキタサンブラック「大団円」までをプレイバック!
  4. 横山典弘騎手が若手騎手に「あの乗り方はやめろ」岩田康誠騎手らが実践する「お尻トントン」は、競走馬の負担になるだけ?
  5. 浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
  6. 「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
  7. 天才・武豊と帝王・岡部幸雄の意地がぶつかり合った「天と地」の決戦。天皇賞・春(G1)に25年の時を経て再び訪れた「世紀の対決」
  8. 「怒りの矛先は騎手でもいいよ」ダノンデサイル調教師の“横山典弘愛”が凄い!「競馬だから仕方ない」「最悪の流れ」呼び込んだ浜中俊の選択
  9. 皐月賞(G1)クロワデュノール「1強」に待った!? 「強さが証明された」川田将雅も絶賛した3戦3勝馬
  10. 【香港C(G1)展望】BC制覇の偉業から1か月、ラヴズオンリーユー有終の美へ!レイパパレはC.スミヨンと新コンビ、最大のライバルは最高レーティングの英国馬