JRA「大誤算」3本の矢バキバキに折れた!? 頼みの主戦は本番で別の馬に鞍替え…… 引退間近の名伯楽に厳しい現実
先週の根岸S(G3)は、川田将雅騎手の1番人気レッドルゼルが勝利。初重賞勝ちを決めるとともに、21日のフェブラリーS(G1)に向けて大きな手応えをつかんだ。
コンビを組んだ川田騎手はこれで、先週オーヴェルニュで制した東海S(G2)に続き、2週連続の重賞制覇。トップクラスの馬質に恵まれながらも開幕ダッシュに失敗した今年だったが、まだ1月を終えたばかり。徐々に調子を上げて反撃の準備が整いつつある。
その一方で、リーディングを独走するC.ルメール騎手がコンビを組んだタイムフライヤー(牡6、栗東・松田国英厩舎)は、まずまずの走りを見せたものの3着が精一杯。昨年夏の北海道で連勝した勢いには翳りが見える3連敗を喫した。
レース後のコメントでルメール騎手が「1400mはベストではない」とコメントしたように、1600mの本番で巻き返しの余地は残されているかもしれない。だが、今回の3着もどちらかというと馬の力より、ルメール騎手の好騎乗で食い込んだといえる内容だった。
厩舎の看板馬ともいえるタイムフライヤーの敗戦は、2月に定年で引退を迎える松田国英調教師にとって非常に厳しい現実だ。頼みのルメール騎手が、フェブラリーS(G1)にカフェファラオとのコンビで挑むことが決定しており、大一番を前に新たなパートナー探しを迫られることは大きなマイナス材料だろう。
調教師生活最後のG1であるフェブラリーSで有終の美を視野に入れていた松田国師にとっての誤算はこれだけではない。厩舎にはタイムフライヤー以外にも、ハギノアレグリアス、ハギノリュクスといったダートの実力馬を擁していた。
破竹の3連勝中だったハギノアレグリアスが両前肢に屈腱炎を発症して脱落。同じく3連勝中だった僚馬のハギノリュクスは、昨年11月の栞S(3勝クラス)を3着に敗れて連勝が止まると、巻き返しを期すはずだった瀬戸S(3勝クラス)を1番人気に支持されながら11着に大敗してしまった。
うまく行けばフェブラリーSに3頭出しの可能性もあったが、今となっては水泡に帰した。
「タイムフライヤーに匹敵する評価を受けていたハギノアレグリアスの故障は、松田国師匠にとって痛恨だったでしょう。ハギノリュクスのフェブラリーS出走もほぼゼロになりましたし、結局残ったのはタイムフライヤー1頭のみとなってしまいました。一時は3頭出しで3本の矢となる可能性もありましたが、バキバキに折れてしまった感じです」(競馬記者)
かつては2001年クロフネ、13年ベルシャザールでジャパンCダート(G1・現チャンピオンズCの前身)を制した名門。最後の希望となったタイムフライヤーは、8年ぶりのダートG1勝利を関西の名伯楽にプレゼントすることができるだろうか。
PICK UP
Ranking
17:30更新- ルメール軍団「誤算続き」で迷走中?使い分けの弊害に一部ファンから疑問の声
- クロワデュノール「世代最強説」に現実味も…ダービー馬候補が未勝利戦より遅い時計の怪
- 武豊×ドウデュース完全包囲網で波乱含み!?豪華メンバーのジャパンCにチェルヴィニア、ブローザホーン、オーギュストロダンら最強メンバー集結。レジェンド元JRA騎手の見解は?
- 「別競技」の高速馬場で欧州最強マイラーの意地見せたチャリン!ジャパンC参戦オーギュストロダン、ゴリアットに朗報?
- C.ルメール「アンラッキー」な過怠金に謝罪…マイルCSでも「牝馬のC.デムーロ」の手綱冴えるか?
- エアスピネル降板に武豊騎手は「何」を思う……8年前、すべてを手にしてきた天才騎手が”最大級”の屈辱を味わった「ウオッカ事件」とは
- 【京都2歳S(G3)展望】藤田晋オーナーの大物エリキングが登場! ジョバンニ、サラコスティがリベンジに燃える
- 【ジャパンC(G1)展望】「ディープ」オーギュストロダンVS「ハーツ」ドウデュース、2005年有馬記念から19年越しの最終決戦!
- 春のG1戦線に水を差す「醜聞」続く…現役騎手の父に詐欺容疑、G1馬オーナーが逮捕
- 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
関連記事
武豊に語った松田国英調教師の「究極の喜び」。ウオッカが勝って嬉しい「クラッシャー」と揶揄された“壊し屋”の意外な素顔
JRA松田国英「人を殺したわけじゃないけど……」ダートの怪物が引退に追い込まれた“不治の病”が「期待の新星」にも。定年まで4か月の名伯楽に再び試練が……
JRA 3歳最強馬は松田国英厩舎にいた!? 「文句なしに強かった」規格外のスケールに敗れた小牧太も驚愕……引退間近の名伯楽が最後の大仕事に虎視眈々
JRA松田国英厩舎「最後の大物3歳」が3連勝でオープン入り! 2着小牧太「完璧だったけど、相手が悪かった」もう1頭の“アレグリア”が規格外の走り
JRA川田将雅“人格改造”「なんで使ってきたんだ」から改心!? 秋華賞(G1)出走への望みを懸け松田国英厩舎からソフトフルートが出走