
JRA中山記念(G2)2番人気バビット「ぶっちぎり最下位」に内田博幸も不満隠さず。「もう少し粘って欲しかった」残り600mで早々に脱落……
先週、中山競馬場で行われた中山記念(G2)は、松山弘平騎手の1番人気ヒシイグアス(牡5、美浦・堀宣行厩舎)が優勝。同馬を管理する堀調教師はフェブラリー(G1)を制したカフェファラオに続き、2週連続で重賞制覇を飾った。
今年はG1馬の出走がなく、前走1着からの参戦は中山金杯(G3)を制したヒシイグアス、京都金杯(G3)を制したケイデンスコールのみ。例年に比べて小粒なメンバーとなったこともあり、レースレベルの低下が懸念されていた。
しかし、優勝したヒシイグアスは2勝クラスから一気に4連勝で重賞も2連勝。前走で復活を見せたケイデンスコールが2着と、実力馬のワンツー決着なら「G2」の看板に偽りなしといえる結果だろう。
その一方で、14着に大敗したバビット(牡4、美浦・浜田多実雄厩舎)にとっては、想定外だったに違いない。
14頭立てのレース。トーセンスーリヤが好スタートを見せたが、先手を主張したバビットがこれを交わして先頭に立つ。ウインイクシードがこれを追いかける格好で2番手に付け、トーセンスーリヤは3番手となった。
いずれも逃げ先行を得意とする馬が競り合う格好。ペースは必然的に速くなり、4番手以降を5馬身、6馬身と離す展開で1000m通過は57秒8のハイペースとなった。残り600mを切ったところで1頭だけ、いち早くギブアップしたのがバビットだった。
最後の直線に入ってトーセンスーリヤを競り落としたウインイクシードが抜け出すも、これを外からケイデンスコールとヒシイグアスが強襲して2頭の叩き合いとなる。抜かれては抜き返す一進一退の大激戦を制したのはヒシイグアスだった。
好調ぶりが際立った勝ち馬に対し、バビットは13着マイネルハニーからさらに5馬身後方の最下位でゴール板を通過した。
レース後、内田博幸騎手の「ペースは速かったが、2番手の馬(ウインイクシード)が3着に粘っているし、もう少し粘って欲しかった」というコメントからも、陣営の落胆の色が隠せない結果。
距離が長かった菊花賞(G1)の10着や、一線級の集まった前走の有馬記念(G1)の13着は仕方がなかったかもしれない。だが、芝1800mで行われる中山記念は得意の中距離。同世代が相手だったとはいえ、セントライト記念(G2)を快勝したコースで惨敗した事実は深刻と述べざるを得ない。
「ハイペースにはなりましたが、開幕週だった中山の芝コースは速い時計が出る状態でした。それだけに、多少飛ばしても前で競馬した馬が残れる馬場だったことは否めません。競り合った3頭はウインイクシード3着、トーセンスーリヤ5着で脱落したのはバビットのみ。『もう少し粘って欲しかった』という内田騎手の言葉も納得です。
前走の有馬記念(G1)後は放牧に出されましたが、帰厩後にしっかり時計を出したのは1週前と最終追い切りの2本だけと、やや調整不足の感は否めませんでした。1週前には坂路で自己ベストをマークしていますが、逆に言えばそこまでびっしり追う必要があったということ。馬体は+2キロで数字上は仕上がっていましたが、中身が伴っていなかったのかもしれません」(競馬記者)
昨年の夏は逃げて4連勝していたバビットだが、内容的にはスピードで他馬を圧倒するというよりも、淀みない流れに持ち込んで後続の脚を使わせる逃げだった。激流に飲み込まれた中山記念のような展開が向かなかったともいえる。
マイペースの逃げを打てなかったことが、敗因なら次走での巻き返しへの期待もある。とはいえ、勝ち馬から3秒以上離されてのぶっちぎり最下位では、展開だけに敗因を求めることは難しいかもしれない。
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