
JRAキセキが敗戦の中で見せた「復活」への光明!? クイーンエリザベス2世C(G1)デアリングタクト、ラヴズオンリーユーに挑戦状
14日に中京競馬場で行われた金鯱賞(G2)で5着のキセキ(牡7、栗東・辻野泰之厩舎)は、4月25日に香港のシャティン競馬場で行われるクイーンエリザベス2世C(G1)に次出走することが分かった。
このレースには金鯱賞で2着のデアリングタクトも出走を予定。さらに今年の京都記念(G2)を勝利したラヴズオンリーユーも次走の候補として挙がっているため、それぞれ出走することとなれば、香港の地で日本馬3頭の対決となる。
その一方、キセキが昨年出走した春の天皇賞(G1)を使わないことは、今年の始動戦に昨年と同じく阪神大賞典(G2)ではなく、金鯱賞が選ばれたことからもある程度の想像は出来たといえる。前進気勢の強いキセキにとって、折り合いが課題となる長距離よりは、中距離戦線に活路を見出したいという陣営の狙いもあるのだろう。
昨年の阪神大賞典は1.6倍という圧倒的支持を集めたにもかかわらず、1秒以上もゲートから出ない大出遅れ。気性難更生の救世主として川田将雅騎手から武豊騎手へのバトンタッチもあった。
その甲斐もあって落鉄のあった春の天皇賞は6着に敗れはしたが、続く宝塚記念(G1)では見せ場十分の2着に好走する。京都大賞典(G2)でも2着に入り、秋の天皇賞(G1)でも4番人気で5着と悪くない内容。これで視界良好と思われた矢先で、大暴走ともいえる超ハイペースの大逃げとなったジャパンC(G1)を8着、巻き返しを狙った暮れの有馬記念(G1)でも12着と精彩を欠いていた。
やはり、キセキが折り合いの呪縛から解放されるためには、距離短縮という結論が正しいのかもしれない。
事実、敗れたとはいえ金鯱賞の敗戦は、それほど悲観する内容ではないともいえる。
中京の前残りする馬場を味方に最低人気のギベオンが逃げ切ったレースだが、結果的にノーマークの逃げがハマった感のある勝ち馬に対し、キセキは正反対となる最後方からの競馬。最後の直線で繰り出した末脚は、2着に敗れたデアリングタクトの3F36秒1を上回る35秒9だった。
最後方から使った脚のため、多少速くなるのは当然かもしれないが、勝ち馬とのタイム差はわずか0秒2でしかない。キセキがもし、逃げの手に出ていれば勝っていたのではないかという声も出ていたとはいえ、3番人気の馬がはたしてギベオンと同じく楽に逃げられたかどうかは怪しい。
久しぶりにコンビを組んだM.デムーロ騎手が、レース後のコメントで物足りなさを感じたのは、全盛期を知る騎手だったことも少なからずあるだろう。
だが、キセキ陣営としては折り合ってレースが出来たことに対する収穫の方が大きかったのではないだろうか。
デビュー時から管理していた角居勝彦厩舎の解散によって辻野泰之厩舎に転厩したキセキ。環境の変化がいい意味で落ち着きに繋がっているようなら、2000m戦であるクイーンエリザベス2世Cへの参戦は、天皇賞に比べると悪くない選択となりそうだ。
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