
JRA 岩田康誠「騎乗停止」で“お手馬”は誰の手に? 他人の騎乗停止こそチャンス到来!? 代打はいくらでもいる現実!
まさに見事な代打ホームランだった。
25日、阪神競馬場で行われたマイラーズC(G2)は、2番人気ケイデンスコールが優勝。騎乗予定だった岩田康誠騎手に突然の騎乗停止処分が下され、同馬の乗替り役に指名されたのは古川吉洋騎手。テン乗りにも関わらず、まさに“会心のひと振り”で、テイエムジンソクで制した2018年の東海S(G2)以来、自身2度目のG2優勝を果たした。
対照的だったのは、1番人気に推された池添謙一騎手のエアロロノアだ。
前走で同馬の手綱をとったのは、デアリングタクト騎乗のため香港へ渡航していた松山弘平騎手。その乗替わりで代打騎乗した池添騎手は、2019年のマイルCS(G1)で福永祐一騎手から、昨年の安田記念(G1)でC.ルメール騎手から、それぞれ乗り替わって勝利を収めるなど、競馬きっての代打職人。しかし、この日のマイラーズCでは人気に応えられず馬券圏外の5着に沈んだ。
マイラーズCで突然のチャンスをモノにした古川吉騎手の「代打成績」は優秀だ。過去10年の2012年から17年まで、乗替りによる勝利は6年連続で10勝以上をマーク。とくに17年は自身36勝のうち乗替りで17勝も記録している。
1996年のデビュー以来、今年4月18日まで9686回の騎乗数を誇る古川吉騎手。そのうち5368回もの乗替りを経験しており、継続騎乗に対して乗替りは55.4%と半数を超える。
その騎手人生のうち半数以上が乗替りで成り立っている古川吉騎手は、まさに「代打稼業」で賞金を稼ぐ、職人的ジョッキーといえるだろう。
一方、後輩騎手への恫喝行為に端を発して、今回の騎乗停止処分を受けた岩田康騎手。通常、処分を受けた騎手は騎乗予定馬がいることから、翌々週以降のレースに騎乗できなくなるケースが一般的だ。
しかし今回は、その行為があまりにも悪質と判断されたのか、翌日から即騎乗停止となった。岩田康騎手の騎乗予定馬の関係者が、突然の事態に苦慮したことは想像に難くない。
とにかく、来週以降の岩田康騎手からの乗替り案件も気になるところ。ちなみに昨年、岩田康騎手からの乗替りの「恩恵」を最も受けたのは、エージェントが同じ福永祐一騎手だった。
昨年リーディング3位の134勝を挙げた福永騎手は、岩田康騎手からの乗替りが14度もあり、3勝、2着2回、3着1回の好成績をマークしていた。
昨年204勝でリーディングトップの座についたC.ルメール騎手は、岩田康騎手から7度の乗替りのうち2勝。昨年2位の川田将雅騎手は、6度の乗替りから1勝、2着1回。
岩田康騎手と入れ替わるように、今から復帰予定の昨年5位の武豊騎手は8度。そのうち0勝、2着1回、3着2回という成績が残っている。いずれにせよ、自らの愚行により騎乗停止処分を受けた岩田康騎手の代打候補は、いくらでもいるのが現実といえるだろう。
自らの愚行で、継続騎乗のチャンスを手放してしまった岩田康騎手。一方で、突然の代打騎乗で得たチャンスを、見事に掴んだ古川吉騎手。
あくまで主戦は岩田康騎手であるもののケイデンスコール陣営としても、結果を残した古川吉騎手に継続騎乗を依頼してもおかしくはない。今回の事件で、岩田康騎手は自らの手でケイデンスコール以外の有力馬を手放す可能性もあるはずだ。
乗替り案件には、馬主の主張や調教師の判断など、さまざまな思惑が発生する。いわゆる強奪的な乗り替わりか、もしくは下手に乗った影響での乗替りか、果ては今回のようなジョッキーが起こした思いがけない事件による降板か。代打騎乗には関係者しか知り得ない奥深いドラマがある。
PICK UP
Ranking
11:30更新「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
【ヴィクトリアマイル(G1)予想】ナミュールから6点で万馬券狙い! マスクトディーヴァは持ちタイムに不安ありで消し! 高速決着に対応できる穴馬で勝負
- 浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
- JRA「馬が走ってくれません」スタート直後の“レース拒否”に大反響!? 三浦皇成も打つ手なし……未勝利馬がまさかの「自己主張」で1か月の出走停止処分
- 「空前の競馬ブーム」巻き起こしたオグリキャップ…ぬいぐるみはバカ売れ、見学ツアーも大人気、「ビジネスチャンス」生かしたオーナーの慧眼【競馬クロニクル 第64回】
- 皐月賞(G1)クロワデュノール「1強」に待った!? 「強さが証明された」川田将雅も絶賛した3戦3勝馬
- 横山典弘騎手が若手騎手に「あの乗り方はやめろ」岩田康誠騎手らが実践する「お尻トントン」は、競走馬の負担になるだけ?
- JRA出鼻をくじかれた「16億円」の大勝負……。「神の馬」の二の舞だけは避けたい日高に朗報!? 海外からのニュースに関係者も安堵か
- 「世代最強候補」クロワデュノールは本物なのか?ホープフルSで下馬評を覆す最強刺客
関連記事
JRA 「岩田康誠からの卒業」を印象付けた古川吉洋の決定的な言葉とは。マイラーズC(G2)ケイデンスコール代打成功で「騎乗停止」の主戦は立場なし!?
元JRA藤田伸二氏「騎乗停止」岩田康誠の「後輩イジメ」を衝撃告白! 藤懸貴志以外に「4、5名が……」「酔っ払って暴行で始末書」異例の“即処分”となった舞台裏
JRA 岩田康誠「煽り運転」で“即刻”騎乗停止!?「机を持ち上げて……」同じく”粗暴な行為”処分された北村友一の「机事件」事件とは
JRAマイラーズC(G2)岩田康誠に蘇る「1番人気シンガリ負け」の苦い記憶……。ケイデンスコールを救うのは阪神開催!?
JRAアドマイヤハダル「強奪」は大失敗!? 皐月賞(G1)明暗分けたC.ルメールの判断に「それでも岩田康誠」ならの声