
JRA ディープボンド凱旋門賞(G1)参戦「武豊騎手で勝てたら最高」!? キズナから「8年」同産駒で挑むノースヒルズの夢
フランスの競馬統括機関であるフランスギャロは、10月3日にパリロンシャン競馬場で行われる凱旋門賞(G1)に、先週の天皇賞・春(G1)で2着となったディープボンド(牡4歳、栗東・大久保龍志厩舎)が参戦を予定していることをホームページで発表した。
同サイトでノースヒルズ代表・前田幸治氏は「(天皇賞は)速い時計の決着だったが、13年の凱旋門賞で4着に入ったキズナの産駒で緩い馬場にも対応できる」とコメント。同コースで行われる9月12日のフォワ賞(G2)をステップレースとして大一番を目指すようだ。
そこで注目を集めるのが、鞍上問題である。
ディープボンドの主戦を務める和田竜二騎手は、今年3月から自身のTwitterで全文英語での投稿を開始しているが、レース騎乗での海外遠征は1度のみ。2014年にマレーシアのスンガイベシ競馬場で行われた「セランゴールターフクラブ国際騎手招待競走2014」に参戦しているが、海外における経験が少ない上にフランスでの騎乗経験もない。
そこで白羽の矢が立ちそうなのが、日本競馬界のレジェンド・武豊騎手だ。
ノースヒルズグループの所有馬としては、2013年のキズナと2018年のクリンチャーが過去に凱旋門賞へ挑戦。クリンチャーで参戦した2018年、『スポーツ報知』によるレース前のインタビューで前田氏は「日本馬が初めて凱旋門賞を勝つなら日本人ジョッキーで。それも第一人者の武豊騎手で勝てたら最高だと思っています」と答えている。
過去2度の凱旋門賞挑戦はいずれも武豊騎手を鞍上に迎えており、この言葉からは外国人ジョッキーでの参戦も考えづらい。
前田氏は、武豊騎手について「彼自身、若い時からずっと世界に目を向けて挑戦を続けている。私たちのモットーもチャレンジング・スピリット。彼とは同じ気持ちで夢に挑戦しています」と発言しており、今回の凱旋門賞でもコンビ結成となる可能性は十分に考えられるだろう。
一方、武豊騎手も4月27日に行われたオンラインイベント『ニコニコネット超会議2021』で、今後の目標について「(男子ゴルフの)松山英樹さんがマスターズで優勝した姿を見て、改めて“凱旋門賞で勝ちたい”と思った」と具体的な目標として凱旋門賞で勝つことを挙げ、その決意を語っていた。
武豊騎手が騎乗して4着となったキズナの凱旋門賞を振り返り「オルフェーヴルに5馬身差をつけて勝ったトレヴの強さに驚き、私たちもあのような競走馬をつくりたいと思いました」と話した前田氏。父にキズナを持つディープボンドでの参戦は、ファンとしても感慨深いものがある。
「夢を叶えるまで挑戦に終わりはありません。チャレンジを続けていれば必ずいつか花は開くと信じています」
そう語っていた前田氏。これまで凱旋門賞には8回騎乗して、最高が2001年サガシティの3着という武豊騎手にとっても気持ちは同じだろう。
ディープボンドに託された日本競馬界の悲願・凱旋門賞制覇――。まずは、鞍上の発表を楽しみに待ちたいところだ。
(文=北野なるはや)
<著者プロフィール>
某競走馬育成牧場で働いた後、様々なジャンルの仕事で競馬関連会社を転々とする。その後、好きが高じて趣味でプログラミングを学習。馬券には一切のロマンを挟まないデータ派であるが、POG(ペーパーオーナーゲーム)では馬体派という奇妙な一面も持つ。
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