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JRA 武豊「最低人気」カデナで魅せた最短ワープ!? 安田記念(G1)名手の技が冴えた「秘策」がズバリ、「4年8カ月」ぶりのタッグが生んだ意外な記録とは

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JRA 武豊「最低人気」カデナで魅せた最短ワープ!? 安田記念(G1)名手の技が冴えた「秘策」がズバリ、「4年8カ月」ぶりのタッグが生んだ意外な記録とはの画像1
ダノンキングリー 撮影:Ruriko.I

 6日、東京競馬場で開催された安田記念(G1)は、8番人気の伏兵ダノンキングリーが優勝した。初コンビを組んだ川田将雅騎手は完璧騎乗で絶対女王グランアレグリアを撃破。これまで超えることが出来なかったG1の壁を、5歳の春にして初めて打ち破った。

 昨年の安田記念で7着、秋の天皇賞(G1)では12着と連敗したダノンキングリー。約8か月ぶりの休み明けだったこともあり、デビュー以来最低となる8番人気の低評価だったのも仕方がない。

 だが、陣営がダノックスの主戦を任される川田騎手を配してきたことは、仕上がりに少なからずの自信を持っていたからともいえるだろう。

 その一方で、最低人気カデナ(牡7、栗東・中竹和也厩舎)の激走に驚かされたファンも少なくなかったのではないか。

 単勝オッズ167.9倍という超人気薄だったカデナ。そんな同馬がコンビを組んだのは、日本競馬を代表する武豊騎手。名手とのコンビ復活は、未勝利戦の手綱を執った2016年9月以来、4年8か月ぶりのことだった。

 超久々のタッグ結成とはいえ、父ディープインパクトの主戦も務めた名手との息はピッタリ。長いブランクを気にさせないほど、抜群の相性のよさを見せつけた。

 14頭立ての芝1600m戦。先行争いを繰り広げている前の馬とは正反対に、スタートを無難に決めたカデナは、いつも通りの後方待機策で後方2番手につける。スローペースで流れたレースをリラックスして追走すると、最後の直線は最後方から末脚一閃。

 そこで、武豊騎手は馬群が密集した外ではなく内を選択する。この絶妙な判断が大きな分かれ目となる。

 ゴチャついた外を尻目に、カデナはがら空きのインを伸びて、あわやのシーンを演出した。直線だけで8頭をゴボウ抜きにした末脚は上がり3ハロン33秒2。もしハイペースで流れていれば、馬券圏内もあったかもしれないと思わせる激走である。

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「思ったよりもついていけた。最後もいい伸びでしたし、まだやれると思いますよ」

 この結果には武豊騎手も驚いただろう。6着に敗れたとはいえ、好感触のコメントでパートナーを称えた。

「追い込み一手の脚質のため、スローペースで展開は向きませんでしたが、切れ味は健在でしたね。直線での進路取りに苦労した馬が多かった中であえてのイン突きもまた見事でした。

最短距離を通る攻めの騎乗はさすが武豊騎手といえる走りでした。7歳でも年齢を感じさせないワープを見せてくれました」(競馬記者)

 かつてはクラシック候補と期待された馬も、2017年の弥生賞(G2)勝利を最後に長らく低迷が続いた。

 だが、昨年の大阪杯を11番人気4着、今年も11番人気6着に加えて、今回の安田記念の激走と、まだまだ一線級と渡り合えることを証明した。

 さらには武豊騎手がG1レースで最低人気馬に騎乗したのは、14年宝塚記念(G1)で12番人気ながら4着に入ったヒットザターゲット以来となる2回目。レジェンドジョッキーにしては意外な記録だ。次走でもコンビ継続となるようなら、ぜひとも注目したい1頭である。

(文=高城陽)

<著者プロフィール>
 大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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