JRA「笑わない男」川田将雅の笑顔が大反響!?「マスク取ってほしい」「こっちも嬉しい気持ちに」ダノンキングリーだけじゃない。「もう1つ」の復活させたもの
6日、東京競馬場で行われた安田記念(G1)は、リーディング1位C.ルメール騎手と、2位川田将雅騎手の間で大きく明暗が分かれる結果となった。
負けられなかったのは、グランアレグリアに騎乗したルメール騎手だ。しかし、単勝1.5倍の人気に応えるべく連覇を目指したものの、ゴール前の接戦を制したのは8番人気の伏兵ダノンキングリーに騎乗した川田騎手だった。
リーディング争いでは、今週3勝を上積みしたルメール騎手に対して、川田騎手は安田記念の勝利を含む6勝と気を吐いたが、両者の差は15勝。リーディング1位と2位ながら「首位を争う」とは、とても言えない状況だ。騎手リーディングはここ2年、1位ルメール騎手、2位川田騎手という状況が続いているが、3年連続も十分にあり得るだろう。
しかし、今年の川田騎手はまったく焦っていないように見える。それどころか、この日の勝利騎手インタビューで見せた「笑顔」は、ファンの間でも話題になったようだ。
「8番人気の伏兵を会心の騎乗でG1勝利に導いた充実感はもちろんでしょうが、この日の川田騎手がインタビューで見せた表情は、これまでには見られなかったような、とても柔らかな印象でした。
勝利騎手インタビューの受け答えはいつも丁寧なのですが、この日は終始いい笑顔でしたね。最後は『また(ダノンキングリーが)走る時に楽しんでいただければなと思います』という言葉で締めくくりましたが、川田騎手自身も今を楽しんでいるように見えました」(競馬記者)
このインタビューには、ネット上の競馬ファンからもSNSや掲示板で「めっちゃいい笑顔」「ほっこりした」「せっかくいい笑顔だから、マスク取ってほしい」「今年の川田さんの表情は違う」「こっちも嬉しい気持ちになる」など、大きな反響があった。中には「ダノンキングリーと自分の笑顔を復活させた」という洒落の利いたコメントもあったほどだ。
「川田騎手といえば、福永騎手が冗談で『怒るのはもう将雅に任せてるから』とコメントするなど、周囲の騎手仲間だけでなく、ファンやメディアにも怖いイメージがありましたが、最近は毒が抜けたというか、すっかり変わりましたね。今回の安田記念は見事な騎乗でしたが、そういった精神的な余裕が呼び込んだ“神騎乗”だったのかもしれません」(別の記者)
昨年3月の阪急杯(G3)では、不利を受けた北村友一騎手に対して「ユーイチ!」という声が中継に拾われるなど、何かと“激怒案件”でお騒がせしているイメージがあった川田騎手。
そんな川田騎手の“キャラ変”は、この春から『netkeiba.com』で自身の連載コラムをスタートさせたことが、大きなきっかけとなったのかもしれない。
「川田騎手は『In the brain』という自身に向き合うテーマでコラムを始めましたが、連載1回目には『俺、30歳を境に、まったく笑わなくなってるな』と、自分が笑わない人間であることを認めていました。
ただ、それはトップジョッキーの責任にストイックに向かい合う姿勢を貫いていた結果であり、そのやり方ではルメール騎手に勝てないことにも気付いたそうです」(同)
そんな試行錯誤の結果なのか、リーディング争いこそ15勝差とルメール騎手に大きく後れを取っている川田騎手だが、重賞勝利ではルメール騎手の7勝に対して、11勝と大きく勝ち越している。安田記念での今年G1・3勝目は、ルメール騎手に並んだ格好だ。
「些細なことですが、最近は勝利ジョッキーインタビューでも、ゆっくり話し、柔らかい表情での受け答えを意識したりしています。はい、ちょっと無理しています(笑)」
4月に掲載された『netkeiba.com』のコラムで、そう綴っていた川田騎手。あれから約2カ月、多くのファンに愛される「自然な笑顔」を取り戻した今の川田騎手は、それほど無理をしていないのかもしれない。(文=銀シャリ松岡)
<著者プロフィール>
天下一品と唐揚げ好きのこってりアラフォー世代。ジェニュインの皐月賞を見てから競馬にのめり込むという、ごく少数からの共感しか得られない地味な経歴を持つ。福山雅治と誕生日が同じというネタで、合コンで滑ったこと多数。良い物は良い、ダメなものはダメと切り込むGJに共感。好きな騎手は当然、松岡正海。
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