JRA グランアレグリア、サリオス、サートゥルナーリア「早すぎデビュー」も今は昔……? 厩舎の「思惑」が渦巻く6月初旬の新馬戦に、出世間違いなしの“将来のスターホース”も出走!?
2020年は、6月8・7日と13・14日が対象。計12鞍の新馬戦では、7日に勝利した前出のサトノレイナスのほか、14日の東京芝1800m戦では、今年のオークス(G1)を制したユーバーレーベンもデビュー勝ちしている。
ユーバーレーベンを管理する美浦・手塚貴久厩舎も、この時期の新馬戦を狙い撃ちして“期待馬”をデビューさせている節がある。
2018年6月9日にはフェルシュテルケン、2019年6月初旬にはワーケアを含む3頭、2020年もユーバーレーベンほか3頭と、ここ3年で7頭もの新馬をこの時期にデビューさせている点は、動かぬ証拠といえるだろう。
ほかにも、美浦・藤沢和雄厩舎はここ3年でグランアレグリアを含む5頭が6月初旬デビュー。さらに美浦・堀宣行厩舎もサリオスのほか、2020年にはブエナベントゥーラとノックオンウッドの良血馬を6月初旬にデビューさせている。
先週6日の新馬戦にも、管理馬のバーマンを出走させた藤沢和厩舎だが、結果は5番人気で13着。堀厩舎はサリオスこそ重賞ウィナーとなったが、ほか2頭は伸び悩みを隠せない。
一方で、冒頭に挙げた美浦・国枝栄厩舎は“期待馬”のコマンドラインを、サトノレイナスと同時期にデビューさせて、その作戦どおり見事、勝利を掴んだ。コマンドラインも思惑通りに、サトノレイナスと肩を並べるほどのスターホースになるか、第1関門は突破したといったところだろう。
6月2週目にあたる今週の新馬戦も、将来有望な若駒が多数スタンバイ。各厩舎の思惑通り、見事にデビュー勝ちを収めて、余裕ある出走ローテが実現するか。各厩舎の思惑を推理しながら、今週の新馬戦にも、ぜひ注目してほしい。(文=鈴木TKO)
<著者プロフィール> 野球と競馬を主戦場とする“二刀流”ライター。野球選手は言葉を話すが、馬は話せない点に興味を持ち、競馬界に殴り込み。野球にも競馬にも当てはまる「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」を座右の銘に、人間は「競馬」で何をどこまで表現できるか追求する。
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