JRA武豊、L.デットーリ「意味深発言」に感動!? 「ディープインパクトの乗り味を共有できる人」英オークス(G1)スノーフォール「熱いナイフで……」に天才騎手が見た景色
「熱いナイフでバターを切っているかのような感覚でした――」
4日、英国のエプソム競馬場で行われた第243回・英オークス(G1)は、L.デットーリ騎手のスノーフォールが16馬身差で圧勝という歴史的な幕切れだった。なお、この16馬身差は243回の歴史を誇る英オークスでの最大着差となる。
そんな異次元の圧勝劇はたちまち日本の競馬ファンも熱狂させ、ディープインパクト産駒の日本産馬ということもあってスノーフォールが大きな話題に。その一方で、多くのファンの頭に「?」を起こさせたのが、デットーリ騎手の「熱いナイフでバターを切っているかのような感覚」という独特なコメントだった。
前後の話の内容からも、これがスノーフォールの乗り味を意味していることは一目瞭然ながら、厳密にはどういった感じなのか……。ネット上のSNSや掲示板でも「どんな感覚だよ」「なんとなくわかるわ」「意味が解らん」「天才デットーリの表現を凡人が理解するのは無理」など、様々な反応があった。
そんな中、この独特な表現に「さすがデットーリ」と賛辞の声を送ったのが、一部のポルシェ愛好家というから、いよいよ訳が分からない。
「友人から聞いた話で申し訳ないんですが、どうやら911というポルシェを代表するシリーズがあり、大昔に伝説の名車911に乗ったドライバーが『熱いナイフでバターを切るような感覚』と表現したとか。ただ、これはポルシェの乗り味やスピード(切れ味)ではなく、シフトフィール(ギアが入る感触など操作性全般)への賛辞だったそうです」(競馬記者)
デットーリ騎手の「熱いナイフでバターを切っているかのような感覚」という言葉に「切る」という表現があることから、我々“凡人”は後続を大きく突き放したスノーフォールの直線の切れ味を連想する。
しかし、ポルシェ911シリーズの名言に倣うなら、それはギアの入り方のスムーズさといった加速の良さを表現していることになる。無論、記者が話す通り「大昔」のことらしいので、デットーリ騎手がそれを知っているかどうかは定かではないのだが……。
一方、このデットーリ騎手の“意味深発言”に「理解することができた」と共感を示したのが、日本競馬が誇る天才・武豊騎手だ。
武豊騎手は10日、公式ホームページを更新。かつて自身が主戦を務めた盟友ディープインパクトの仔スノーフォールの英オークスの圧勝劇を「テレビで見ていたボクも興奮してしまいました」と絶賛。
その後、話題はデットーリ騎手の「熱いナイフでバターを切る感覚」発言に移り「なかなか聞けない表現」と率直な印象を語った一方、「すぐに理解することができたのもうれしいこと」と瞬間的に共感できた喜びも語っている。
「武豊騎手はディープインパクトに騎乗していた際、その走りを『飛ぶような走り』と表現していました。もしかしたら、そういった武豊騎手しか知らない感覚が、デットーリ騎手の『熱いナイフでバターを切る感覚』と重なったのかもしれません。
一方で、当時中学生だった福永祐一騎手が『テレビや新聞に出て、ポルシェに乗って、アイドルと結婚している』武豊騎手に憧れて騎手になろうと決めたことは有名なエピソード。つまり武豊騎手はポルシェに乗っていたことにもなります」(同)
「ディープインパクトの乗り味を共有できる人がフランキー(デットーリ騎手)だった」と、世界的な名手とフィーリングが合致したことに感動を語っている武豊騎手。果たして、伊日が誇る天才ジョッキーたちには何が見えているのか。今後のスノーフォールの活躍と、デットーリ騎手、武豊騎手の言葉に注目したい。(文=銀シャリ松岡)
<著者プロフィール>
天下一品と唐揚げ好きのこってりアラフォー世代。ジェニュインの皐月賞を見てから競馬にのめり込むという、ごく少数からの共感しか得られない地味な経歴を持つ。福山雅治と誕生日が同じというネタで、合コンで滑ったこと多数。良い物は良い、ダメなものはダメと切り込むGJに共感。好きな騎手は当然、松岡正海。
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