
打倒キタサンブラックへまずはここから……AJCC(G2)で「復活」を懸けるリアファルとタンタアレグリアが同世代の意地を見せる!

近かったようで届かなかったあの「背中」は、今はもう遥か遠くに行ってしまった。
一昨年の第76回菊花賞(G1)。クラシックの主役を務めた春の2冠馬ドゥラメンテが不在の中、混戦を極めた最後の一冠を手にしたのは、まだその素質を開花させて間もないキタサンブラックだった。
その一方で1番人気に推され、最も栄冠に近かったのがリアファルだ。残り200mで一度先頭に立ったものの0.1秒差の3着に敗れ、その後ろにはしぶとく脚を伸ばしたもののあと一歩届かなかったタンタアレグリアの姿もあった。
そんな2頭が「復活」を懸け、22日に中山競馬場で開催されるAJCC(G2)に挑もうとしている。
昨年、キタサンブラックがビッグレースで気持ち良さそうにスイスイと逃げる姿を見る度、「この馬が健在ならば」と思ったファンも多かったのではないだろうか。
2015年秋の神戸新聞杯(G2)、主役不在のクラシック戦線に突如現れた「超新星」が、まだ芝に転向して2戦目のリアファルだった。抜群のスタートから先手を奪うと、あっさりと逃げ切り。実力馬のリアルスティールに2馬身差をつける圧勝劇を飾るとともに、菊花賞における「最大の惑星」に躍り出た。
そんなリアファルをファンも高く評価していたことがうかがえるのが、その年の有馬記念(G1)だ。菊花賞を勝ったキタサンブラックが4番人気だったにもかかわらず、G1未勝利の本馬は3番人気に支持されていた。
しかし、レース中に左前脚に異変を生じて最下位の16着に大敗。レ-ス直後は左肩のハ行と発表されていたがエコー検査の結果、左前脚のひざの裏に腱鞘炎を発症していることが判明。長期休養を余儀なくされた。
それから約1年が経った昨年12月の金鯱賞(G2)でカムバックを果たしたリアファル。約1年ぶりのレース、馬体重も+18kgと厳しい条件だったが、復活を願うファンは3番人気に支持した。
スタートで半歩ほど立ち遅れたリアファルは、無理せず好位に取り付く。マイネルラクリマが外から果敢にハナを奪いに行く中、パドルウィールが2番手に続き、その直後にリアファルを従えたまま1コーナーに飛び込んだ。
レースは大きく縦長になったが、1000m通過は61.5秒と開幕週で良馬場の中京としては遅いペース。前にいた馬たちにとって有利な流れとなったが、当然後続がそれを許さない。
残り800mを切った辺りで急激にペースが上がると馬群が凝縮。単騎で逃げていたマイネルラクリマのリードがあっという間になくなり、2番手からパドルウィールが並びかけたところが最後の直線の入り口だった。
久々のためか、勝負所でやや立ち遅れたリアファルは少しポジションを落としたものの、内からサトノノブレスに、外からヤマカツエースに挟み込まれたところで闘争心に火が付く。しかし、やはり反応は鈍く、本来の走りを見せられないままゴール。最後はサトノノブレスにも競り負けての5着だった。
しかし、これが約1年ぶりのレースであることを考慮すれば、勝ったヤマカツエースから0.2秒差の5着という結果は、決して悲観するような内容ではない。むしろ、復活に向けて確かな足掛かりを残したと評価して良いだろう。
PICK UP
Ranking
11:30更新引退・種牡馬入りが一転して現役復帰!? 数奇な運命をたどることになった競走馬たち
武豊やC.ルメールでさえ「NGリスト」の個性派オーナーが存在感…お気に入りはG1前に「無念の降板」告げた若手騎手、過去に複数の関係者と行き違いも?
「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
- 「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
- 「元イエスタカス」ダッシングブレイズ重賞制覇に高須院長も「イエス」!? 名前に翻弄された素質馬の飛躍が話題
- JRAヴィクトリアマイル(G1)至高の”1000円”勝負!現場ネタが導く「アノ伏兵」が波乱を!?
- 浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
- 「世代最強候補」クロワデュノールは本物なのか?ホープフルSで下馬評を覆す最強刺客
- アドマイヤ軍団が「G1・45連敗」武豊と絶縁し「40億円」と引換えに日本競馬界フィクサーの”逆鱗”に触れた凋落の真相?
- 皐月賞(G1)クロワデュノール「1強」に待った!? 「強さが証明された」川田将雅も絶賛した3戦3勝馬