
JRA伝説の新馬戦再び!? 福永祐一「ダービー出れるわ」ゆくゆくは引退を発表した父の後継種牡馬にも……、「鉄板ニックス配合」の大物がベールを脱ぐ
27日、宝塚記念(G1)当日に行われる、阪神5R芝1800mの新馬戦。
昨年の勝ち馬ダノンザキッドは2歳G1のホープフルSを優勝。皐月賞(G1)でも1番人気に支持された。2着のワンダフルタウンも青葉賞(G2)など重賞2勝と、翌年のクラシック戦線を賑わせたが、今年もハイレベルなメンバーが、顔を揃えそうだ。
今年の日本ダービー(G1)をシャフリヤールで制した藤原英昭厩舎が、“ダービー連覇”に向けて送り出すのが、同厩舎で共にデイリー杯2歳S(G2)を制したベッドベルジュール、レッドベルオーブの弟・レッドベルアームだ。
兄の2頭はディープインパクト産駒だったが、こちらはハーツクライ産駒。1週前追い切りに騎乗し、デビュー戦でも手綱を執る予定の福永祐一騎手は、「ハーツクライ産駒で馬っぷりがいい。距離は兄たちよりもつと思う」と『スポーツ報知』の取材に対しコメント。
さらには、笑顔を見せながら「ダービー出れるわ」とも話していたというのだから余程のスケールを感じているのかもしれない。
「宝塚記念当日の阪神芝1800mの新馬戦には、ショウナンパンドラの全弟ローマンネイチャーや、ルメール騎手が騎乗予定のディープインパクト産駒キラーアビリティ、ダノックス&川田将雅騎手の黄金コンビ・ダノンフォーナインなど、超豪華メンバーが出走を予定しています。
レッドベルアームは2週前追い切りの時点では、デビュー戦はまだ未定とのことでした。1週前の感触が非常に良かったようで、強豪が揃うと分かった上であえてこのレースにぶつけてきたということは、それだけ仕上がりや素質に自信があるということではないでしょうか」(競馬記者)
厩舎がダービー連覇を目指す中、福永騎手は早くも“ダービー三連覇”を見据えているのかもしれない。レッドベルアームの母レッドファンタジアの仔は、4頭全てがデビュー戦で2着以内に入っており、2戦目までに勝ち上がっている。いきなり走れる血統でもあり、初戦から注目の1頭と言えそうだ。
一方でつい先日、レッドベルアームの父であるハーツクライの種牡馬引退が発表された。
同馬が繋養されている社台SSの吉田勝己代表取締役は、「今年もつけていないし、もう来年も種付けをしません。後継種牡馬も出してくれたし、牧場を助けてくれた馬。これからはゆっくりしてほしい」と話したという。
ハーツクライの後継種牡馬としてはジャスタウェイやワンアンドオンリー、スワーヴリチャードなどが挙げられる。レッドベルアームも今後の活躍次第では、ハーツクライの後継種牡馬として名を連ねることも可能かもしれない。
「レッドベルアームの血統構成は父の代表産駒であるスワーヴリチャードと同じ、父ハーツクライ×母父アンブライドルズソングです。この血統は15頭中8頭がJRAで勝利を収めている“鉄板のニックス配合”と言っていいでしょう。
血統背景的には大物感が十分にありそうです。兄のレッドベルジュールは現役時代にG2を1勝のみでしたが、種牡馬入りを果たしています。レッドベルアームも活躍次第によっては種牡馬入りすることも十分に可能でしょう」(同)
日曜日にデビューする若駒たちは来年のクラシックはおろか、種牡馬としても今後末永く競馬ファンを楽しませてくれるかもしれない。非常に楽しみな一戦となりそうだ。
(文=冨樫某)
<著者プロフィール>
キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。
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