JRA史上最高レース「幻の1番人気」のお騒がせ馬が無念の回避! 宝塚記念(G1)「疲れが取れなくて」も納得? 現役屈指のタフガイも悲鳴を上げた驚きの臨戦過程とは

27日に阪神競馬場で行われる夏のグランプリ・宝塚記念(G1)だが、出走に意欲を見せていたヨシオ(牡8、栗東・森秀行厩舎)とキングニミッツ(牡8、栗東・小崎憲厩舎)は体調が整わないため回避を表明。このままいくと13頭立てのレースとなりそうだ。
ヨシオは昨年のジャパンC(G1)で話題を集めた人気馬。アーモンドアイをはじめ、コントレイルやデアリングタクトら牡牝の無敗三冠馬が直接対決となったことで史上最高レベルともいわれた注目のレースだった。
だが、『netkeiba.com』で公開されていたジャパンCの予想オッズでは、そんな強豪たちを押しのけてヨシオが1番人気に支持されるという“珍事”が発生した。こちらについては、後にサイト側で修正が行われたが、キャリア69戦目でG1に初めて挑戦したヨシオファンの後押しもあったようだ。
ヨシオの挑戦はこれだけではなく、12月に行われた中距離ダートのチャンピオンズC(G1)にも参戦。残念ながら16頭立ての最下位という結果に終わったが、このあくなき挑戦を評価する声も出た。
そして、今年の宝塚記念にもまたヨシオが登録。3度目となるG1の舞台でどのような走りを見せてくれるのかを楽しみにしていたファンも多かっただろう。
その一方で、短期間に連続で出走していた同馬の、まるでブラック企業のようなハードローテーションも無視できない。今回、ヨシオ陣営が「疲れが取れなくて状態が上がってこなかったので回避します」と、その理由を説明しているのだが、ヨシオの過酷な使われ方を考慮すると、回避も仕方がないと思えてくるのは気のせいだろうか。
以下は昨年のジャパンCからのヨシオのローテーションである。歴戦の猛者ヨシオもさすがにこれは疲れが抜けなかったのかもしれない。
20年11月 ジャパンC(G1)、芝2400m、東京
20年12月 チャンピオンズC(G1)、ダート1800m、中京
21年1月 障害未勝利、60キロ、2860m、小倉
21年2月 障害未勝利、60キロ、2860m、小倉
21年3月 障害未勝利、60キロ、2970m、阪神
21年5月 天王山S、ダート1200m、阪神
21年5月 栗東S、ダート1400m、中京
これまでもハードスケジュールをこなしてきたヨシオも8歳の高齢馬。話題をさらった昨年のジャパンCから毎月1走のペースでレースに出走している。しかも、その内容もダートの1200m戦もあれば、60キロを背負って障害の3000m近い距離を走るなど、バラエティに富んでいる。
ましてや最近は気温も上昇し、体調管理にも細心の注意を払わなければならない時期でもある。先週の開催ではピンクカメハメハ、ウンダモシタンが急性心不全でなくなったばかり。
こういった背景を考えると、2頭の回避は英断だったともいえるのかもしれない。
(文=高城陽)
<著者プロフィール>
大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。
PICK UP
Ranking
5:30更新
JRA有馬記念(G1)「伝説の逃走劇」はキタサンブラックでも、ダイワスカーレットでもなく、あの馬!? 前走4馬身圧勝から狙うレジェンドの再現
JRA 武豊は信頼度抜群!? 一球入魂ならぬ「一鞍入魂」の信頼度は本当か。川田将雅、横山典弘などトップジョッキーにみる「1日1鞍」限定の“勝負駆け”を探る!
JRA調教師の目標は「餌やり」からの卒業!? 競馬界の「影の王」ノーザンファーム外厩大成功に存在意義ズタズタ……- 「叩かれるのが嫌ならSNSすんなよ」斎藤新にSNSの洗礼!? 注目の若手がそれでも大事にしたいこと…「美肌の秘訣」に商品メーカーも反応
- 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
- JRA「パワハラ裁判」木村哲也調教師が復帰。大塚海渡騎手への暴言、暴力行為による調教停止処分から約3か月…若手実力派調教師の汚名返上に期待
- 「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
- JRA宝塚記念(G1)「何故」武豊キセキは復活したのか? 安藤勝己氏が語った「ユタカ・マジック」の真相とは
- 今村聖奈に続き坂井瑠星も“イチャイチャ動画”が流出!? パートナー愛を試される大一番
- アドマイヤ軍団が「G1・45連敗」武豊と絶縁し「40億円」と引換えに日本競馬界フィクサーの”逆鱗”に触れた凋落の真相?
関連記事

JRAカレンブーケドールに「シルバーコレクター」返上のチャンス!? 宝塚記念(G1)「初勝利」の歴史が善戦続きに終止符の期待、戸崎圭太はダノンキングリーの屈辱を晴らせるか

JRA宝塚記念(G1)クロノジェネシス「グランプリ3連覇」に黄色信号!? 待ち受ける「魔のドバイ帰り」、そして“怖い”福永祐一騎手の存在

JRA宝塚記念(G1)「117億円」が一瞬で紙くずに……。ゴールドシップの「超後方ポツン」に横山典弘も苦笑い!? “愛されキャラ”の怪走に響き渡った悲鳴、怒号、落胆の声

JRA 武豊「条件不一致」でアリストテレスに頭なし!? 宝塚記念(G1)歓迎データもまさかの逆効果、ワールドプレミア以来の久々G1勝利に険しい向かい風

JRA×『声優と夜あそび 2021』宝塚記念の特設サイト登場!
















