数分走って250万円獲得!? 衝撃の錬金術に競馬界も唖然……無念の回避も宝塚記念(G1)ヨシオの挑戦が示したもの
それに宝塚記念はファン投票のグランプリレース。その中でヨシオはギベオンやマカヒキ、ダノンキングリー、インディチャンプなど並みいる強豪を差し置いて31位の票を集めた。実際に宝塚記念に出走するカデナの2倍以上、シロニイの3倍以上の票を集めており、宝塚記念出走馬の中に入っても8番目の票を集めているのだから、もし出走していたとしても批判されるものではないはずだ。
オープンクラスに上がって成績が頭打ちの場合でも、レースの選択によってその競走馬の費用を稼ぐことができる意味は大きい。これは競走馬としては現役を続行するチャンスに繋がり、場合によっては引退後にその馬を世話するための費用にもなるからだ。
そういった意味でもヨシオのG1挑戦は、経済的観点で考えれば非常に大きな意味があった。ルール上の盲点といえるものだが、同馬の負担やファンの感情を抜きにすれば評価されるべきものであり、他の馬主にとって驚きの錬金術とも言えるだろう。
昨年のジャパンCからチャンピオンズCにおけるヨシオの挑戦は、競馬界では異端児ともいえるものであった。
しかしヨシオの挑戦を考察することで、競走馬が経済動物であり、その維持管理には多額の費用が必要ということも改めて考えさせてくれた。ヨシオが引退後にどんな生活を送るのか、それはファンには分からない。今言えることは、残り少ない現役生活を全うし、引退後も健やかに余生を過ごしてほしいということ。そしてそのための手段としてG1レースに挑戦するのであれば、それはそれで応援するのみである。(文=仙谷コウタ)
<著者プロフィール>
初競馬は父親に連れていかれた大井競馬。学生時代から東京競馬場に通い、最初に的中させた重賞はセンゴクシルバーが勝ったダイヤモンドS(G3)。卒業後は出版社のアルバイトを経て競馬雑誌の編集、編集長も歴任。その後テレビやラジオの競馬番組制作にも携わり、多くの人脈を構築する。今はフリーで活動する傍ら、雑誌時代の分析力と人脈を活かし独自の視点でレースの分析を行っている。座右の銘は「万馬券以外は元返し」。
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