JRA「1分6秒0」日本レコード更新で武豊アグネスワールドの名がついに完全消滅!? 開幕小倉でヨカヨカは沈没、超速決着で覚醒したロードカナロア×サクラバクシンオーの血
「先生からしっかり特徴を聞いてしっかり動ける態勢を作って頂いたので、自信を持って乗ることができました」とコメントしていることは高く評価されるべきだろう。パートナーの特徴を事前に“予習”していたからこそ、強気な騎乗へと繋がった。小倉が地元の鮫島駿騎手にとっても嬉しい勝利だったに違いない。
激しいハナ争いを繰り広げた先行勢で、逃げ残ったのはファストフォースのみ。52キロという軽量に助けられた側面もあるが、51キロで出走した1番人気のヨカヨカは速い流れに対応できず5着と完敗。2着3着には中団から末脚を伸ばしたピクシーナイト、アウィルアウェイが入ったように、展開に恵まれただけではないだろう。
ヨカヨカに騎乗した和田竜二騎手が「ゲートは出た方ですけど、両隣の馬も速かったですね。年長馬が相手の1200m戦に慣れてくるようなら……」と、敗戦を振り返ったことからも、ファストフォースがいかに速かったのかも察しが付くコメントだ。
1999年にアグネスワールドが武豊騎手に導かれ、北九州短距離S(OP)で記録した1分6秒5(良馬場)の小倉芝1200mのレコード。英G1ジュライCを優勝した稀代の快速馬の名前が“前レコードホルダー”としてでさえ完全に消えてしまうのは、オールドファンにとしては淋しい限りだろう。
ファストフォースの圧逃を後押ししたのは、同馬に流れる父ロードカナロアと、母父サクラバクシンオーという歴史に名を刻むスプリンターの血だったのかもしれない。
(文=高城陽)
<著者プロフィール>
大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。
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