JRA【プロキオンS(G3)展望】帝王賞(G1)で“激走”ノンコノユメと同じ「9歳セン馬」ウェスタールンドが中心!復調の兆しワイドファラオ福永祐一にもチャンスあり
11日には、小倉競馬場でプロキオンS(G3)が行われる。
1996年の創設時は阪神開催、その後は2012年から中京に変更となった。これまで京都でも2度開催され、昨年は10年ぶりに阪神で開催されたが、距離は一貫して1400mだった。しかし、今年は1400mのコース設定がない小倉のため、レース史上初めて1700mで行われる。
主役候補の1頭がウェスタールンド(セン9歳、栗東・佐々木晶三厩舎)だ。
昨年末の東京大賞典(G1)で3着に入るなど、息の長い活躍を見せている古豪で、8歳馬として昨年は5戦して「1-2-2-0」と安定した成績を残した。
1700mという距離もマッチしそうだ。6歳夏に芝からダート路線に転向後、3勝のうち2勝が1700m。昨夏のエルムS(G3)でもタイムフライヤーの2着に好走した。もう1勝も1800mなので、距離的に好走ゾーンといえるだろう。
また、9歳セン馬というプロフィールは先日の帝王賞(G1、6月30日)で2着に激走したノンコノユメと同じ。“同期”の活躍を刺激にしたい。
ただし、JRAでは高齢馬が重賞で好走することはほとんどない。1986年以降、9歳以上の高齢馬はJRA平地重賞を5勝しているが、そのすべてが芝コースで挙げたもの。ダート重賞に限ると、118戦して「0-1-3-114」という成績が残っている。唯一の2着は、17年カペラS(G3)のスノードラゴンで、連対率は0.8%という絶望的な数字だ。
ウェスタールンドは年齢に加え、前走から半年ぶりというブランクもあって、やはり衰えが気になるところ。それを覆す走りを見せてくれるだろうか。
ウェスタールンドより4歳下のワイドファラオ(牡5歳、栗東・辻野泰之厩舎)にもチャンスがある。
この馬も芝でデビューし、3歳春にはニュージーランドT(G2)を勝っている。その後はNHKマイルC(G1)での敗戦を機にダート路線に転向。その初戦でいきなりユニコーンS(G3)を制した。
昨春には、かしわ記念(G1)を逃げ切り、G1馬の称号を手に入れた。しかし、その後は極度の不振に陥り、惨敗が続いていた。
ようやく復活の兆しを見せたのは、2走前のかしわ記念。ここで4着に入ると、前走のさきたま杯(G2)は3着と、1年1か月ぶりとなる馬券圏内に好走した。
ワイドファラオにとって不安の一つが距離だろう。これまで好走は1400~1600mに偏っている。すんなりハナを切れれば面白いが、1700mは微妙に長い印象だ。福永祐一騎手の手綱さばきにも要注目だろう。
サンライズホープ(牡4歳、栗東・羽月友彦厩舎)は、エーピーインディ系のマジェスティックウォリアー産駒で、灘S(3勝クラス)、三宮S(OP)を2連勝中の上がり馬。
初ブリンカーで臨んだ前走はスローペースでマイペースの逃げ。展開に恵まれた部分もあったが、2着に0秒4差をつける完勝劇だった。昨年のユニコーンS以来となる2度目の重賞挑戦となるが、今回のメンバーなら上位争いは十分可能だろう。
この他には、昨年の佐賀記念(G3)覇者、ナムラカメタロー(牡5歳、美浦・稲垣幸雄厩舎)、川田将雅騎手が騎乗を予定するダノンスプレンダー(牡5歳、栗東・安田隆行厩舎)などが出走を予定している。
小倉ダート1700mで史上初めて行われる重賞で勝ち名乗りを上げるのは果たしてどの馬か。発走は11日15時35分を予定している。
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