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JRA 鼻血を出しながら未勝利馬が初勝利! ウオッカ、オルフェーヴルら過去の名馬も苦しんだ難病、サラブレッドに及ぼす鼻出血の影響が人間と決定的に異なる理由とは

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JRA 鼻血を出しながら未勝利馬が初勝利! ウオッカ、オルフェーヴルら過去の名馬も苦しんだ難病、サラブレッドに及ぼす鼻出血の影響が人間と決定的に異なる理由とはの画像1

 先日、クローゼットを整理していたら小さい頃の写真が出てきた。幼い頃はよく鼻血を出して、両親を困らせていたことを思い出した。今では、鼻血は滅多に出ないが大人になっても出る可能性はあるため、十分注意したい。

 それは競走馬にとっても同様だが、レースを走るサラブレッドは我々人間よりもさらに深刻である。そんな中、4日の小倉2Rでゲノム(牡3歳、栗東・高柳大輔厩舎)は鼻血を出しながら無事完走。おまけに勝利まで掴み取った。

 これだけだと鼻血を出しながら、レースに勝利しただけと考える方が多いかもしれない。

 しかし、競走馬の鼻と人間の鼻はそもそも構造が異なるため、鼻血が及ぼす影響は甚大だ。競走馬の鼻は口と繋がっておらず、肺にのみ繋がっている。この関係で出血した状態の鼻では、十分な呼吸ができない。

 一般的に競走馬の鼻血は、「鼻出血」と呼ばれている。多くの競走馬は、競走中に鼻出血を発症すると、呼吸困難の影響で競走を中止する馬も少なくない。

 JRAの発表によるとゲノムが鼻出血を発症したのは競走中とのこと。ただ、呼吸が苦しい中、後続に1馬身以上の差をつけて勝利したのは能力が相当高い証だろう。今後も注目していきたい馬だが、JRAから出走停止処分を課されるため、残念ながらゲノムは今後1ヵ月の間、レースに出走することができない。

 また、競走馬の鼻出血には、大きく分けて外傷性と内因性の2種類がある。

 外傷性の鼻出血は、打撲などの外的要因によるものであるため、再発する可能性が低い上、短期間での治癒も可能で再発のリスクは小さい。

 これに対し、リスクが大きいのは内因性の鼻出血である。なぜなら気道粘膜の毛細血管の破綻や肺出血等の内因性の鼻出血は習慣性となりやすいからである。これらの鼻出血は、外傷性と異なり再発しやすいため、JRAならびに地方競馬では発症した場合、出走停止処分が下される。

 特に肺出血による鼻出血は、心房細動・骨折にならび三大疾病と話す獣医師がいるほど、深刻な病である。競走馬の肺出血の多くは「運動誘発性肺出血」と呼ばれるもので、激しい運動によって肺の毛細血管が破れて出血することによって発症するようだ。

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