産駒「G1・193勝」最強種牡馬ガリレオの凄さは何だったのか!? 欧州のサンデーサイレンスと言われる所以
10日、欧州の大種牡馬として知られるガリレオが亡くなった。持病の左前脚の負傷が深刻になったことから、安楽死の措置がとられた。
突然の大種牡馬の訃報に、世界中のホースマンが嘆き悲しんだ。日本では、「残念ですね。本当に素晴らしい競走馬でした」と武豊騎手が哀悼の意を表した。
一方で、ガリレオは日本との関係性が薄い。近年は、海外競馬の馬券発売も始まったことで、海外馬の父としてガリレオの名を見る機会こそ増えたものの、JRAに所属した経歴があるガリレオ産駒はこれまで19頭と決して多くない。
欧州最強種牡馬との呼び声の高いガリレオが、どれほどの実績をあげてきたのか取り上げてみよう。
ガリレオは1998年にサドラーズウェルズとアーバンシーの間で生まれた。母アーバンシーは、93年の凱旋門賞(G1)優勝馬で同年のジャパンC(G1)に出走したことがある。
現役時代はエイダン・オブライエン厩舎に預託され、無敗で英ダービーを制覇。続けて、愛ダービー、キングジョージ6世&クイーンエリザベスCと無敗でG1を3勝する快進撃を見せた。通算8戦6勝の3歳で現役を退き、02年から種牡馬生活をスタートする。
初年度産駒が続々とデビューし始めた05年、遂に「大種牡馬ガリレオ伝説」が幕を開ける。その中から、06年英セントレジャーS(G1)を制した後、08年のジャパンCに出走したシックスティーズアイコンなどG1馬を4頭輩出した。この数字は、サンデーサイレンスの初年度産駒G1馬5頭の数字に僅かに及ばないが、ディープインパクトとは並んでいる。
2年目以降から、後継種牡馬として名高い馬を輩出し始めた。この年の代表格であるテオフィロは、種牡馬として18年香港ヴァーズ(G1)でリスグラシューなど日本馬を破ったことで有名なエグザルタントを輩出。また、今年の小倉大賞典(G3)を制したテリトーリアルもテオフィロ産駒だ。
3年目の代表格は、ニューアプローチが挙げられる。父同様に英ダービーなどG1を3勝し種牡馬入りすると、初年度から欧州最優秀2歳馬に輝くドーンアプローチを輩出した。日本では、20年の共同通信杯(G3)を制したダーリントンホールの父として有名だ。
5年目は、日本競馬と関わりが深い馬が2頭生まれた世代である。牡馬の代表格で、G1競走6勝を誇るケープブランコは、現在日本で種牡馬繋養されている。牝馬の代表格のリリーオブザヴァレーは、引退後社台ファームで繋養され、16年に青葉賞(G2)を勝ったヴァンキッシュランを産んだ。
PICK UP
Ranking
17:30更新- ルメール軍団「誤算続き」で迷走中?使い分けの弊害に一部ファンから疑問の声
- クロワデュノール「世代最強説」に現実味も…ダービー馬候補が未勝利戦より遅い時計の怪
- 武豊×ドウデュース完全包囲網で波乱含み!?豪華メンバーのジャパンCにチェルヴィニア、ブローザホーン、オーギュストロダンら最強メンバー集結。レジェンド元JRA騎手の見解は?
- 「別競技」の高速馬場で欧州最強マイラーの意地見せたチャリン!ジャパンC参戦オーギュストロダン、ゴリアットに朗報?
- C.ルメール「アンラッキー」な過怠金に謝罪…マイルCSでも「牝馬のC.デムーロ」の手綱冴えるか?
- エアスピネル降板に武豊騎手は「何」を思う……8年前、すべてを手にしてきた天才騎手が”最大級”の屈辱を味わった「ウオッカ事件」とは
- 【京都2歳S(G3)展望】藤田晋オーナーの大物エリキングが登場! ジョバンニ、サラコスティがリベンジに燃える
- 【ジャパンC(G1)展望】「ディープ」オーギュストロダンVS「ハーツ」ドウデュース、2005年有馬記念から19年越しの最終決戦!
- 春のG1戦線に水を差す「醜聞」続く…現役騎手の父に詐欺容疑、G1馬オーナーが逮捕
- 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
関連記事
JRAフジキセキはなぜ「幻の三冠馬」と呼ばれるようになったのか? 4戦無敗でターフを去ったサンデーサイレンスの最高傑作、どよめきから歓声に変わった衝撃的なデビュー
JRA ルナシオン「仕上がり問題なし」も大誤算!? C.ルメール起用で勝負気配も二桁着順、スワーヴリチャード半妹が謎の大敗
JRAピースオブエイト「伝説の新馬戦」級デビューでグランディアを返り討ち!? 川田将雅ダノンスコーピオンに強敵登場か、着差以上の強さを裏付けた衝撃の理由とは
JRA武豊は「13年前」の無念をウェルドーンで晴らせるか!? ジャパンダートダービー(G1)ソダシの叔母ユキチャンを襲った悲劇とは
JRA武豊「1日3勝」固め打ちで完全復活間近!? 得意の函館で通算100勝まであとわずか、C.ルメール凌ぐ勝率で再び“輝き”を取り戻せるか