JRAかつての新人王が「ダート王」にモデルチェンジ!? 芝に対してダートは3倍超の勝利数、人知れずスキルアップした苦労人ジョッキー
2008年の“新人王”三浦皇成騎手の成績が、ひっそりと変化している。
実は今年の成績を振り返ると、芝とダートの勝利数に大きな差が生じているのだ。11日現在、33勝を挙げて全国リーディング19位につけている三浦騎手。その勝利数の内訳は、なんと芝8勝に対してダートが25勝。いつの間にか、約3倍超の差がついていた。
合計416回の騎乗のうち、芝の騎乗が191回で、ダート騎乗が225回。芝の勝率はわずか4.2%に対して、ダートの勝率は11.1%と、勝利数だけでなく勝率の面でも、やはり大きな差がついている。
さらに三浦騎手の昨年の成績を調べると、ダートを得意とする傾向には“予兆”があった。
昨年9月から12月末まで、三浦騎手が記録した32勝の内訳をみると、芝14勝、ダート18勝と、それほど白星の数は変わらなかったが、勝率や連対率、複勝率を比較すると段違い。
芝(騎乗回数122回)
勝率11.5%、連対率21.3%、複勝率28.7%
ダート(騎乗回数114回)
勝率15.8%、連対率24.6%、複勝率40.4%
このように、全ての数字で芝の成績を上回っていた。とくに4割を超える複勝率から、ダートでは馬券的にも信頼できるジョッキーといえるだろう。
そんな昨年の三浦騎手といえば、めでたいはずの“正月競馬”で落馬事故に巻き込まれて負傷。復帰したのは3月と、約2ヶ月間も棒に振ってしまったことは記憶に新しい。
1月5日から約2ヶ月間も休養を余儀なくされたのは大きな痛手だった。故に昨年の騎乗記録について軽視していたが、9月以降のデータを洗い出してみれば、ジワジワとダート騎手へとモデルチェンジしつつある傾向があった。
三浦騎手と落馬事故といえば、2016年8月14日の札幌競馬で起きた悲劇が思い出される。
直線で先頭にたったモンドクラフトが故障して転倒。地面に投げ出された三浦騎手は、肋骨9本のほか、骨盤も骨折。さらに肺と副腎も損傷する大ケガを負ってしまった。その後は1年ほどの休業を経て、2017年に復帰。翌18年にはようやく通年騎乗を果たして、68勝をマーク。落馬事故の前年(2015年)に記録した64勝に、ようやく勝利数を戻した格好となった。
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