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JRA「大暴走」でお騒がせビアンフェと“共通点”多数!? 函館2歳S(G3)ポメランチェのデビュー戦「レコードV」こそがマイナス材料?

JRA「大暴走」でお騒がせビアンフェと共通点多数!? 函館2歳S(G3)ポメランチェのデビュー戦「レコードV」こそがマイナス材料?の画像1

 17日(土)、函館競馬場では2歳世代最初の重賞レース、函館2歳S(G3)が行われる。

 14日現在、『netkeiba.com』の予想オッズで2.0倍の1番人気に支持されているのがポメランチェ(牝2歳、栗東・牧田和弥厩舎)だ。有力視される最大の理由は新馬戦の内容だろう。

 今年の北海道シリーズは、東京五輪による変則日程で札幌からのスタート。その2週目の芝1200mで藤岡佑介騎手を背にデビューしたポメランチェは、好スタートを決めるとスッとハナに立ち、直線を向いても余力十分。最後は2着馬を4馬身突き放し、楽々と逃げ切った。

 この時マークした勝ち時計はなんと1分7秒9。従来の2歳コースレコードを1秒0も更新する速い時計だった。

「今年の札幌は芝の丈が短く、異常ともいえる高速馬場でした。レコード更新はもちろん、開幕週に行われた函館スプリントS(G3)の勝ちタイム(1分7秒6)と0秒3しか変わらなかったのは素直に評価すべきでしょう。

しかも、デビュー戦で4馬身の差をつけたナムラリコリスが次走であっさり勝ち上がっています。当然、同じ洋芝の函館なら断然の1番人気に支持されても驚きはないですね」(競馬誌ライター)

 レース後、初陣を飾ったポメランチェに「栗東の坂路で新馬を勝てそうな動きをしていたので、順調にきてくれればと思っていましたが、言うことの無い仕上がりでした」と賛辞を送ったのは藤岡佑騎手。「前向きなところがあるので、気持ちのコントロールが出来れば、引き続き走ってくれると思います」と課題も同時に挙げていた。

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 このコメントで思い出されるのが2年前の函館2歳Sを制したビアンフェだ。藤岡佑騎手がデビューから一貫して手綱を取り、これまでスプリント重賞を3勝するなど、現役でも指折りの快速スプリンターである。

 ただし、持ち前の前向きさが“暴走”につながったこともあった。気性難がもろに露呈したのが昨秋のスプリンターズS(G1)だ。ゲート入りを嫌がり、発走が5分以上遅れる原因を作ってしまった。さらに、レースでは逃げたモズスーパーフレアに執拗に絡み、最下位16着に大敗した。その後は、去勢されると、復帰戦(オーシャンS、G3)で3着に好走。2戦目の函館スプリントSで重賞3勝目を挙げ、去勢効果を示している。

 そんなビアンフェとポメランチェには“前向きさ”以外にも幾つかの共通点がある。同じ鞍上で、逃げ切って初勝利を挙げた点、さらに母の父が名スプリンターのサクラバクシンオーというのも同じだ。鞍上が懸念するポメランチェの前向きさがいい方向に出れば、デビュー2連勝も十分可能だろう。

 ただし、注意したいのが、ポメランチェのデビュー勝ちが札幌だったという事実だ。先述した通り、今年の札幌芝は異常な高速馬場だった一方、函館の芝は例年通り時計がかかっている。先週土曜日に降った雨の影響で、さらにパワーを要する馬場になっていてもおかしくないだろう。

 400kgを切る小柄なポメランチェにとって、高速馬場からの舞台替わりはマイナスになる可能性も……。逆にここで快勝するようなら、スプリンターとしての将来に明るい展望が開けそうだ。

(文=中川大河)

<著者プロフィール>
 競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。

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