
JRA 戸崎圭太、単勝1.4倍も痛恨の仕掛け遅れで「670万馬券」演出……名手が4コーナーで踏み遅れてしまった「ある理由」とは

17日、福島競馬場で行われた牝馬限定・芝1800mの新馬戦は、4番人気のセプテンベルがハナを奪うと、1000m通過64秒2のスローペースに落として、まんまと逃げ切り勝ち。騎乗していた菅原明良騎手はデビュー3年目でJRA通算100勝を達成した。
2着に13番人気サバイバルアート、3着には11番人気ホノノディーヴァが入り、3連単は671万4920円の大波乱。これは2歳新馬戦における史上3位の高額配当だった。
そんな超高額配当を演出してしまったのが、ダントツの1番人気に支持されていたものの4着に敗れてしまったマジカルキュート(牝2歳、栗東・音無秀孝厩舎)と戸崎圭太騎手である。
1枠1番から五分のスタートを切ると、道中は6、7番手で先団を見る形で追走。手綱は持ったままだったが、残り600m過ぎから激しく追われると、4コーナーから直線にかけて外へ。最後は差を詰めてきたが、スローだったこともあり前に行った3頭を捕まえることができず……仕掛け遅れる形での4着となってしまった。
単勝オッズ1.4倍だったこともあり、レース後ネット上の掲示板などでは「スローなのに追い出し遅すぎ」「今の福島は外回したら勝てない」「1枠1番の時点でイヤな予感はしていた」といった、やや厳しいコメントが飛び交っていた。
だが、今回戸崎騎手が仕掛け遅れてしまったことには、ある理由があったのかもしれない。
マジカルキュートは父ディープインパクト・母ソーマジック、全姉には今年の愛知杯(G3)を勝ち、ヴィクトリアマイル(G1)でも3着に入ったマジックキャッスルがいる。そしてマジックキャッスルの主戦を務めているのは戸崎騎手である。
「ディープ産駒の牝馬で末脚を武器にしているマジックキャッスルは非常に切れるイメージがあり、今年の阪神牝馬S(G2)では上がり3ハロン32秒4という、とてつもない末脚を繰り出しています。
このときに乗っていたのは大野拓弥騎手ですが、戸崎騎手が騎乗した愛知杯でも追い出しをギリギリまで我慢し、ラスト200m付近でステッキを入れて末脚を爆発させ勝利に導いていました。
溜めれば溜めるほど切れ味を発揮する全姉を知っていることが却って仇となり、仕掛け遅れに繋がってしまった可能性がありますね」(競馬記者)
なお、戸崎騎手はこの日の福島9Rでも1番人気を裏切り、56万馬券を演出してしまっている。先週はトーラスジェミニとのコンビで七夕賞(G3)を制すなど、土日とも福島で合計5勝を挙げていただけに、1勝に終わったこの日の結果は戸崎騎手にとっても、やや不完全燃焼に違いない。
夏競馬本番での戸崎騎手と、マジカルキュートの巻き返しに期待したいところだ。
(文=冨樫某)
<著者プロフィール>
キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。
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