
JRA「ハービンジャー祭り」を制したのはリューベック! 「チームソダシ」の送り込んだ良血、ディアドラの全弟が評判通りの圧勝V
北の大地でまた1頭、楽しみな新馬がデビュー勝ちを飾った。
18日、函館競馬場で行われた5Rの2歳新馬は、吉田隼人騎手が騎乗したリューベック(牡2、栗東・須貝尚介厩舎)が優勝。2着には2番人気ヒルノロワール、3着は6番人気アナザーエデンが入った。勝ちタイムは1分51秒4(良馬場)。
出走馬の9頭中5頭がハービンジャー産駒という“ハービンジャー祭り”で、単勝オッズ1.4倍の断然人気に支持されたリューベック。全姉に2017年の秋華賞(G1)、19年には英G1・ナッソーSを制したディアドラのいる良血馬である。
2着ヒルノロワールとの着差は2馬身だったが、見た目以上の楽勝は次走でも期待したくなる走りだった。
今後の折り合いを考えると、出来れば逃げたくない新馬戦だが、スピードの違いで早々とハナを奪ってしまった。競り掛けてくる馬もこれといっていなかったため、ゆったりとした流れは1000m通過63秒8のスローペースに落ち着く。
最後の直線に入ってもマイペースで走っていたリューベックは余裕十分の手応え。後続の追走を軽くいなして悠々とゴール板を駆け抜けた。
「今日は揉まれない競馬だったので、これから色々覚えさせていければ……。直線も物見をするくらい余裕はありました」
コンビを組んだ吉田隼騎手のコメントからも、リューベックに対する期待の大きさが伝わってくる。G1馬の姉がいる血統だけに、求めるものも自然と多くなるのかもしれない。
「一見、マイペースの逃げ切りで回って来ただけのように見えますが、上がり3F最速と中身は濃かったですよ。芝1800mでデビューしたように、距離延長も問題ない血統でもあります」(競馬記者)

また、須貝師の管理する金子真人オーナーの所有馬に吉田隼騎手が騎乗するケースは、白毛のアイドル・ソダシと同じ。“チームソダシ”が送り出したリューベックも、ソダシ同様に7月の函館でデビュー勝ちを決めた。
順調ならば、目標はおそらく札幌2歳S(G3)だろうか。次走も要注目の1頭で間違いないだろう。
(文=高城陽)
<著者プロフィール>
大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。
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