JRA 最短達成は武豊! かつての「落ちこぼれの勲章」から「偉大な記録」に一変!? クイーンS(G3)ドナアトラエンテ川田将雅が挑むあと1勝の分厚い壁

8月1日に函館競馬場でクイーンS(G3)が行われる。この牝馬によるローカル重賞には、昨年の秋華賞(G1)2着などの実績があるマジックキャッスル(牝4歳、美浦・国枝栄厩舎)をはじめとする実績馬が出走を予定している。
しかし、重賞好走歴はありながらも、なかなか勝ち切れていない馬も多数いる。中には年度代表馬を2度受賞したG1・7勝馬ジェンティルドンナの全妹ドナアトラエンテ(牝5歳、美浦・国枝栄厩舎)も含まれるだろう。
ドナアトラエンテは、前走の福島牝馬S(G3)で2着に好走。また、11戦して2走前の9着以外全て馬券圏内という安定感も魅力で、人気馬の一角に推されている。

鞍上の川田将雅騎手は今年のG1を3勝しており、全国リーディングでも2位につけており、心強いパートナーとなりそうだ。そして、川田騎手にはある偉業の達成が懸かっている。
それは、JRA全10場重賞制覇という記録である。
北は北海道から南は小倉まで。ローカル主体の夏競馬以外では、主要4場で騎乗するリーディング上位騎手にとっては、むしろ難関ともいえる。それだけに、これまで達成した騎手はわずか6名しかいないという珍しい記録だ。
この難しい記録を初めて達成したのは、現役時代に人気薄の馬を好走させることで有名だった安田富男元騎手。
しかし、安田元騎手自身はこの記録について、どちらかというとそれほど価値を見出していなかったかもしれない。トップジョッキーに対し、ローカル競馬の騎乗が多かったことも、チャンスが多かったことを踏まえて、「この記録は有名人じゃできないでしょう。脇役じゃないとね。だから、落ちこぼれの勲章ですよ」と語っている。
ただ、当時は安田元騎手から自虐的に語られた記録も、今となっては騎手にとって”名誉な”勲章の1つとなっている。18年福島牝馬S(G3)で達成した秋山真一郎騎手は、勝利騎手インタビューにて「初めて人に言える記録を達成できたかなと思います」と喜びを露わにした。
また、残るは小倉のみだった蛯名正義元騎手は今年の騎手引退の際に「リーチがかかってからも乗せてもらってずっと目指してやってきましたけど、なかなか達成できなくて」と悔しさを滲ませていた。
現役騎手では2番目に達成した武豊騎手が約9年9カ月と最短だったのは、さすがの一言だが今回ドナアトラエンテで挑戦する川田騎手もこの偉大な記録に続けるだろうか。
函館を残すのみとなっている川田騎手。19年函館スプリントS(G3)では後のG1馬ダノンスマッシュに騎乗する機会があり、記録達成には最大のチャンスであった。
しかし、禁止薬物騒動でダノンスマッシュが競走除外となった苦い過去がある。
それだけに、並々ならぬ思いでドナアトラエンテへ騎乗するかもしれない。(文=寺沢アリマ)
<著者プロフィール>
大手スポーツ新聞社勤務を経て、編集部所属のライターへ。サラ系・ばん馬のどちらも嗜む二刀流で「競馬界の大谷翔平」を目指すも収支はマイナス。好きな競走馬はホクショウマサル。目指すは馬券的中31連勝だが、自己ベストは6連勝と道は険しい…。
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