JRA武豊も高評価「2億8060万円」の元有望株が波乱の主役!? 3年ぶり重賞挑戦は勝負気配、「2頭出しは人気薄を狙え」が激走サインとなるか
15日、小倉競馬場では夏の中距離ハンデ重賞、小倉記念(G3)が行われる。
昨年は格上挑戦の10番人気アールスターが53kgの軽量を味方につけて差し切り勝ち。三連単は137万円を超える波乱となった。
今年も格上挑戦かつ同じ53kgで下克上を狙う馬が3頭いる。そのうちの1頭がスーパーフェザー(セ6歳、栗東・渡辺薫彦厩舎)だ。
スーパーフェザーといえば、2016年に行われたセレクトセールの1歳馬市場で、上場247頭中最高額となる2億8060万円(税込)で取引された超がつく有望株。2歳10月の新馬戦では期待に違わぬ走りで、後にNHKマイルC(G1)で3着に入ったレッドヴェイロンを直線一気の末脚で差し切ってみせた。
2戦目の若駒S(OP)は圧倒的1番人気を裏切り6着に敗れたが、あすなろ賞(1勝クラス)では後の皐月賞馬エポカドーロの2着に好走。このとき騎乗した武豊騎手も「いい馬」と高く評価していた。
4戦目となった3歳3月のアザレア賞(500万下)を快勝して臨んだのは青葉賞(G2)。オブセッションやダノンマジェスティといった素質馬を押しのけ堂々1番人気に支持されたが、結果は2着エタリオウとハナ差の3着。日本ダービー(G1)出走の夢は果たせなかった。
その後は半年間の休養を経て、自己条件(2勝クラス)から再スタート。それまでの実績から、すぐに勝ち上がると思われたが、スーパーフェザーが2勝クラスを卒業したのは何と今年5月の魚野川特別(2勝クラス)。アザレア賞を勝ち上がってから、実に3年以上の月日が流れていた。
この3年の間には、ダートや短距離路線にも挑戦。試行錯誤しながら、ようやく迎える青葉賞以来の重賞挑戦。実績馬を相手に荷が重いのは間違いない。それでも、昇級初戦の前走・不知火S(3勝クラス)では57kgを背負い、勝利した同厩のダブルシャープから0秒1差の3着に好走。ここ2走のレース内容と一気に斤量が4kg減る今回は激走のチャンスは十分あるだろう。
また、スーパーフェザーにとって心強いのがダブルシャープの存在だ。不知火Sに続く2頭出しで勝負をかける渡辺厩舎。今年、同厩舎の2頭出しは今回で6度目だが、5戦中4戦で連対馬を出し、3月のフィリーズレビュー(G2)から3連勝中。勝負の2頭出しで成功を収めている。
【2021年の渡辺厩舎2頭出し】
2月6日 未勝利 マーレット10着、ライヴキャンディ15着
3月7日 壇之浦S ダブルシャープ2着、イルマタル6着
3月14日 フィリーズR シゲルピンクルビー1着、エイシンヒテン11着
4月4日 未勝利 ワンダースティング1着、チョモランマ13着
7月17日 不知火S ダブルシャープ1着、スーパーフェザー3着
「2頭出しは人気薄を狙え」という格言通りなら、狙いたいのはやはりスーパーフェザーの方。2億8060万円の元有望株は6歳夏に空高く羽ばたけるか。
(文=中川大河)
<著者プロフィール>
競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。
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