
JRA「重賞28連敗」岩田康誠にブラストワンピースは救世主!? 「化学反応」に陣営も高評価、札幌記念(G2)でメモリアル勝利へ!
22日、札幌競馬場で開催される札幌記念(G2)に2年前の覇者、ブラストワンピース(牡6歳、美浦・手塚貴久厩舎)が出走する。
2018年の有馬記念(G1)を含め、重賞通算5勝の実績馬も、最後に勝利を挙げたのは20年1月のAJCC(G2)と1年半以上遠ざかっている。2年前にフィエールマンなどの強敵を下した舞台で復活勝利を挙げられるだろうか。
注目は鞍上・岩田康誠騎手との“化学反応”だ。岩田康騎手といえば今年4月、レース前の返し馬の際に藤懸貴志騎手の騎乗馬に対してムチで馬をラチ沿いまで幅寄せし、粗暴な発言をしたことが判明。異例ともいえる翌日から4日間の騎乗停止処分を受けた。
その“事件”を挟んで、岩田康騎手は現在重賞で28連敗中。最後の重賞勝ちは1月の京都金杯(G3)まで遡る。12番人気ケイデンスコールで挙げた大金星は、同騎手にとってJRA通算99勝目だった。あれから7か月が過ぎたが、メモリアルの通算100勝目にはいまだ手が届かないでいる。
「本来なら粗暴行為の翌日、マイラーズC(G2)で100勝目を飾っていてもおかしくなかったのですが、自らの手でそのチャンスをフイにしてしまいました。その後は重賞で3着が3度ありますが、有力馬に騎乗する機会も徐々に減っている印象です。そんななか、6月の鳴尾記念(G3)で初コンビを組んだブラストワンピースとのコンビ継続は重賞100勝目を飾る絶好の機会となるでしょう」(競馬誌ライター)
初タッグとなった前走・鳴尾記念でブラストワンピースは心房細動明け。様子見するファンも多く、5番人気に甘んじた。しかし、最内枠から中団インで脚をためると、直線でも内を突いて伸び、上がり3ハロンはメンバー最速をマーク。5か月ぶりの復帰戦で3着に好走してみせた。
「7-0-1-9」という通算成績を見ても分かる通り、本来は勝つか馬券圏外かの非常に極端なタイプ。そんなブラストワンピースにとって好走条件の一つが枠順である。
「これまで挙げた重賞5勝のうち3勝が最内枠(1枠1番)でした。有馬記念やAJCCなど真ん中から外目の枠でも強い競馬はできますが、内ラチを頼る競馬をしたときにより力を出すタイプだと思います。
位置取りはやや後ろでしたが、インから鋭く伸びた前走はまさに理想的な競馬。鞍上は、イン突き名人の異名を持つ岩田康騎手ですから、相性も悪いはずがありません」(同)
実際、陣営からはブラストワンピースと岩田康騎手の相性について、好意的な意見も聞こえてきた。最終追い切り後、八木助手が「(鳴尾記念は)岩田康騎手がうまく乗ってくれた。ズブいところがあるので、しっかり追うジョッキーとのコンビがいい刺激になった」と『サンスポ』の取材に答えている。
2度目のコンビでさらなる化学反応は起こるか。過去10年で最内枠の馬が4勝しているこのレースで好枠ゲットなら、人馬ともに復活の勝利を挙げてもおかしくはない。
(文=中川大河)
<著者プロフィール>
競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。
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