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JRA「距離は問題ない」武豊でさえ見誤った能力の高さ! 北九州記念(G3)元クラシック候補が“適距離”で開花、キングヘイロー2世となれるか

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JRA「距離は問題ない」武豊でさえ見誤った能力の高さ! 北九州記念(G3)元クラシック候補が適距離で開花、キングヘイロー2世となれるかの画像1

 22日、小倉競馬場で行われるスプリント重賞・北九州記念(G3)に、ジャンダルム(牡6、栗東・池江泰寿厩舎)が出走する。近4走は荻野極騎手が騎乗し、4戦2勝の好結果を残していたが、今回は福永祐一騎手へと乗り替わる。

 一方で、ジャンダルムの芝1200m出走が、あまりにも遅過ぎたのではないかという疑惑も否定できない。

 ジャンダルムの母は、スプリントG1を2勝した名牝ビリーヴ。母同様、兄姉が短距離で活躍していたことを考えれば、同じ路線へと進むのが、自然な流れに思われる。6歳となった今になってようやく“適距離”に使われたのは違和感もある。

 この“迷走”は能力が高かったからこそだろう。

 2017年9月、武豊騎手を背に芝1600mをデビュー勝ちしたジャンダルム。2戦目のデイリー杯2歳S(G2)で重賞初制覇を遂げた。

 そして、3戦目に選ばれたのがホープフルS(G1)。これまでのマイルから2F距離を延長した芝2000mの舞台でも、見せ場十分の2着に好走する。

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「距離は問題ない」

 だが、レース後に武豊騎手もそう振り返った善戦が、後の競走生活に大きな影響を及ぼすきっかけとなったかもしれない。

 距離克服に手応えを感じた陣営は、クラシック参戦を意識。翌年の弥生賞(G2)に出走して3着に入ったものの、皐月賞(G1)で9着、ダービーでは17着に大敗。秋の富士S(G3・当時)で再びマイル戦に出走したが7着に敗れた。2歳時にマイル重賞勝ちもあり、順当な距離短縮にも思える。

 とはいえ、ここから約2年もの間、11戦連続でマイル戦を使われ続けたことは、さすがに長過ぎではなかったか。

 ジャンダルム自身の復調もあっただろうが、距離を短縮した芝1400mの3戦を好走。デビュー初となった芝1200mの春雷S(L)で、トップハンデ57キロを背負いながら2着に2馬身半の差をつけて圧勝する。紆余曲折を経て、名スプリンターだった母ビリーヴの血が開花した瞬間だった。

 また、クラシックを目指して挫折したジャンダルムだが、北九州記念を勝利すれば、待望のG1制覇も視野に入ってくる。元クラシック候補から短距離に転戦してG1制覇を遂げた馬といえばキングヘイローが思い出される。

 この馬も期待されたクラシックで勝利することが叶わず、初めてG1のタイトルを手にしたのは5歳になった高松宮記念(G1)と遅咲き。クラシックを共に歩んだ福永騎手ではなく柴田善臣騎手が騎乗しての勝利だった。

 自身が乗り替わる立場となった今回、スプリンターズS(G1)を見据えたジャンダルムに福永騎手が騎乗するのも何かの縁だろう。はたして “キングヘイロー2世”を誕生させることが出来るだろうか。注目したい一戦だ。

(文=高城陽)

<著者プロフィール>
 大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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