
JRA 「初タッグ」大馬主×名トレーナーまさかの1番人気4着……スタート後手から幼さの残るチグハグなレースぶり、悲願ダービー制覇に早くも「黄信号」が点灯か
28日、新潟競馬場で行われた芝1800mの2歳新馬戦は、C.ルメール騎手騎乗の2番人気イクイノックスが勝利。新種牡馬キタサンブラックの産駒が、後続に6馬身差をつける強い勝ち方で来年のクラシックに名乗りを上げた。
一方、単勝2.1倍の1番人気に応えられず、まさかの4着に敗れたのが、川田将雅騎手が騎乗したサトノヘリオス(牡2歳、栗東・友道康夫厩舎)だ。
「サトノ」の冠名でおなじみの大馬主・里見治オーナーが、ダービー2勝の名門・友道厩舎と初めてタッグを組んだということでも話題となった同馬。2020年のセレクトセールにて7700万円(税込み)で落札されており、父は今年の皐月賞馬を輩出しているエピファネイア。兄に函館記念(G3)の勝ち馬エアアンセム、近親には05年の秋華賞馬エアメサイアなどがいる。
レースでは、スタートでいきなり3~4馬身ほどの後手を踏むと、すぐに押し上げを図ったものの今度は掛かり気味の状態に……。3コーナーを過ぎてから何とか折り合いがついたようにも見え、直線は馬場の五分どころを選択。一瞬は伸びてくる気配を見せたが、残り1ハロンで脚色が鈍ると、最後は力尽きるようなかたちで4着に終わった。
「ずいぶんとチグハグなレースになってしまいましたね。友道師は『追い切りを重ねるごとに良くなっている』と話しており、またエピファネイア産駒は新潟の新馬戦で好調だったので期待していたのですが……。サトノヘリオスはまだ馬が相当に幼いのかもしれません。使われての変わり身に期待したいところです」(競馬記者)
これまで数々の名馬を所有してきた里見治オーナーだが、日本ダービー(G1)では2度の2着が最高着順。悲願の初制覇を目指すべく、サトノヘリオスをダービー2勝の名トレーナーに託したとも思われるが、初戦の敗退で早くも黄信号が点灯したかもしれない。
「初戦で着外に敗れ、その後ダービー馬になったのは、ここ10年ではワンアンドオンリー1頭のみです。そのワンアンドオンリーも2戦目は2着に入っており、3戦目には勝ち上がりを収めています。サトノヘリオスは次走、最低でも2着に入らなければ危険水域に突入するかもしれません」(同)
ここまで現2歳世代の新馬戦【2-2-1-0/5】の複勝率100%と絶好調だった友道厩舎にしても、今回の結果はまさかといえるかもしれない。なお友道厩舎は同日、小倉5Rでも単勝1.5倍のアドマイヤグリーゼがまさかの4着と敗退している。この週の新馬戦はイマイチ振るわなかったようだ。
最終追い切りでは一緒に併せ馬を行っていたサトノヘリオスとアドマイヤグリーゼ。両馬の次走巻き返しに期待したいところだ。
(文=冨樫某)
<著者プロフィール>
キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。
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