JRAサマーシリーズW優勝で夏の“臨時”ボーナスゲットも夢じゃない!「横山一家」長男・和生の奇跡の“大逆転劇”に期待!!
8月も終わりを迎え、いよいよ夏競馬もフィナーレ間近。9月5日の新潟記念(G3)には多士済々の出走メンバーが集結して、伝統あるハンデ重賞は戦前から激戦必至の様相を呈している。
8月30日には、注目のハンデも発表。本命視されるザダルと並ぶトップハンデタイの57.5キロを背負うのは、前走で函館記念(G3)を優勝したトーセンスーリヤ(牡6歳、美浦・小野次郎厩舎)だ。
1週前追い切りには、札幌に滞在中の主戦・横山和生騎手がわざわざ美浦に戻って好時計をマーク。同馬にとっても昨年の新潟大賞典(G3)で初重賞制覇した得意舞台での一戦だけに、人馬ともに鼻息は荒い。
夏の新潟開催のトリを飾る新潟記念は、同時にサマー2000シリーズの最終戦でもある。7月11日の七夕賞(G3)から、対象レース全5戦の2000m戦を通じて、その成績に応じて付与されるポイント(以下、P)を競い合う同シリーズ。現在の首位は先日の札幌記念(G2)を優勝して12Pを獲得したソダシだが、優勝資格を得るには合計13P以上必要で、函館記念を制したトーセンスーリヤは10Pで3位タイにつけている。
同シリーズ優勝馬の馬主には3200万円、厩舎には800万円の褒賞金が支払われる。島川隆哉オーナーや管理する小野厩舎にとっても、レース賞金とは別で合計4000万円もの夏のボーナスゲットは魅力的。4着以内に入り(5位タイの)ショウナンバルディが2着以下なら優勝資格を得るだけに、力の入る一戦になることは間違いない。
さらに鞍上の横山和騎手には、サマージョッキーズシリーズ(以下SJS)でも逆転王者になる可能性が懸っている。
夏競馬の対象レース全15戦の騎乗成績で、王者が決定するSJS。現在の首位は26Pの鮫島克駿騎手で、2位は24Pの川田将雅騎手。幸英明騎手と並ぶ19Pを獲得している横山和騎手は3位タイの好位置をキープ。もしも横山和騎手がトーセンスーリヤで新潟記念を優勝すれば10Pが加算されて29Pとなり、鮫島駿騎手を抜いて首位に浮上する。
先週の札幌競馬では、史上初となる親子ワンツースリーを達成した「横山一家」。弟の横山武史騎手は2年連続で函館リーティングを獲得。札幌開催を含めた北海道リーティングに輝く可能性も高い。
関東のエースへと成長著しい弟に対して、長男の意地を見せたい兄・和生騎手。トーセンスーリヤをサマー2000シリーズ王者へと導き、自身もSJSのタイトル獲得となれば、「横山一家」のなかでも長男の存在感を示すことになるだろう。
また、新潟記念の出走メンバーを見渡しても強敵ぞろい。冒頭に記したザダルのほか、SJSで2位につける川田騎手と中内田充正厩舎がタッグを組んで送り出すリアアメリア、復活を期すギベオンやラーゴムら、秋のG1戦線を虎視眈々と狙う馬たちが集結。人馬ともに“逆転王者”の座に就くには、険しい道が待っている。
果たして、横山和騎手とトーセンスーリヤのコンビは夏の王者を掴み取れるだろうか。SJS優勝を目指す横山和騎手にとっても「横山一家」の長男としてのプライドをかけた重要なレースになりそうだ。
(文=鈴木TKO)
<著者プロフィール> 野球と競馬を主戦場とする“二刀流”ライター。野球選手は言葉を話すが、馬は話せない点に興味を持ち、競馬界に殴り込み。野球にも競馬にも当てはまる「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」を座右の銘に、人間は「競馬」で何をどこまで表現できるか追求する。
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