JRA C.ルメール「お手馬多数」でノーダメージ? 新潟2歳S(G3)アライバルの敗退でダメージを被った者と、その「理由」
先月29日、新潟競馬場で行われた新潟2歳S(G3)は、川田将雅騎手騎乗の3番人気セリフォスが勝利。新馬戦から連勝で、2歳マイル王者の有力候補に浮上した。
一方で、1番人気に支持されながらも2着に敗退となったのがアライバル(牡2歳、美浦・栗田徹厩舎)だ。道中は中団を追走、4コーナーで早くも追っ付けられると、ラスト150mは凄い脚で追い込んできたものの、勝ち馬セリフォスには1馬身1/4届かなかった。
アライバルに騎乗したC.ルメール騎手はレース後、「エンジンがかかるのに時間がかかった」とコメントしており、ハービンジャー産駒の同馬にとってマイルの距離はやや忙しかった印象だ。
「直線の長い外回りの新潟でこの発言だと、中距離路線に向かいそうな雰囲気ですね。ルメール騎手としては今回、1番人気で敗れましたが、マイル路線には新馬戦で強い勝ち方をしたコマンドラインなども控えているため、正直それほどのダメージはなかったようにも思われます」(競馬誌ライター)
しかし、アライバル陣営にしてみれば、そう簡単な話でもなさそうだ。
現在、全国リーディングをひた走るルメール騎手には、既に2歳の中距離路線にもお手馬と呼べそうな馬が複数いる。
1頭は、4日に札幌競馬場で行われる札幌2歳S(G3)に出走を予定しているジオグリフだ。
6月の東京・芝1800mで行われた新馬戦を、1分48秒2の好タイムで快勝。騎乗したルメール騎手は、「真面目でセンスがいい。坂を上ってからいい瞬発力を見せてくれた」と称賛している。札幌2歳Sの1週前追い切りでもコンタクトを取っており、好感触を得ているようだ。
先月28日、新潟・芝1800mの新馬戦で勝利を収めたイクイノックスも、ルメール騎手の中でクラシックのパートナーに急浮上したかもしれない。
父キタサンブラック譲りの大きなフットワークで、後続に6馬身の差をつけた走りは圧巻だった。ルメール騎手はレース後、イクイノックスについて「全部が良かった」と最大級の評価を与えた。
レース後、ルメール騎手が「パワーアップしたら凄いことになる」とも話していることからも、同馬の素質に相当惚れ込んでいることが伺える。
「マイル戦とはいえ、敗戦を喫したアライバルは、クラシックのパートナーとして、序列がやや下がってしまった可能性もあります。今後、ルメール騎手に乗ってもらえなくなるようなことがあれば、新潟2歳Sの敗戦はアライバル陣営的には結構なダメージだったかもしれません」(同)
多くのお手馬候補を抱えているルメール騎手。コンビ継続を願う各馬の陣営は、トップジョッキーのお眼鏡に適うかどうか、気が気でないだろう。
(文=冨樫某)
<著者プロフィール>
キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。
PICK UP
Ranking
17:30更新
2017年競馬「流行語大賞」発表! 浜中俊騎手の「もういいでしょう」を退け『2017競馬・流行語大賞』に選ばれたのは……
【香港C(G1)展望】BC制覇の偉業から1か月、ラヴズオンリーユー有終の美へ!レイパパレはC.スミヨンと新コンビ、最大のライバルは最高レーティングの英国馬
「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛- 武豊の次に「上手い」のはアキヤマ!?「世界No.1」のR.ムーア騎手が「上手な日本人騎手」として武豊騎手の次に挙げた”意外”な名前
- JRAノーザンファーム時代終焉へ「16億円」大勝負の“答え”が今週末に!? 「33億円の悲劇」から26年……日高関係者の“命運”を背負った良血がついにデビュー!
- 「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
- 浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
- 横山典弘騎手が若手騎手に「あの乗り方はやめろ」岩田康誠騎手らが実践する「お尻トントン」は、競走馬の負担になるだけ?
- アドマイヤ軍団が「G1・45連敗」武豊と絶縁し「40億円」と引換えに日本競馬界フィクサーの”逆鱗”に触れた凋落の真相?
- JRA高松宮記念(G1)浜中俊「もういいでしょ」若さ故の過ちから4年! 苦い経験を活かす絶好のチャンス、「被害者」武豊から託されたレシステンシアと重なるアノ馬
関連記事

JRA福永祐一「ルメール&川田将雅」襲来で“記録”霧散……年始から34週継続も、浮き彫りになったノーザンファーム「3番手グループ」という現実

JRA【札幌2歳S(G3)展望】C.ルメールが「高評価」ジオグリフVS日英G1馬ディアドラ「全弟」リューベック! 割って入るのは武豊期待のキズナ産駒

JRAルメール×キタサンブラックが6馬身圧勝デビュー! 「パワーアップしたら凄いことになる」父の主戦・武豊とのコンビ実現の可能性は?

JRA「24年目で初めて」池添謙一も驚いた真夏の“珍事”、「最後に響いた」川田将雅がC.ルメールに恨み節!? 武豊「斜行」で後輩ジョッキー落馬もお咎めなし【週末GJ人気記事総まとめ】

JRA 脅威の「勝率75%」スーパー川田将雅の条件とは!?C.ルメール、福永祐一を遥かに凌ぐドル箱条件にダノンスコーピオンと参戦
















