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JRA西の福永祐一&東の戸崎圭太……秋の「絶好調男」は? 開業3年目の新米調教師の快進撃

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【関東・厩舎】

 次に関東の調教師を見てみよう。この4回中山開催で現在1位なのは、なんと開業3年目の加藤士津八厩舎だ。今年13勝のうち4勝がこの2週間でのもの。9頭が出走して4勝2着1回、勝率44.4%・連対率55.6%・複勝率66.7%という好成績。この中山に勝負をかけてきた印象だ。中でも9月12日の中山10RセプテンバーSは、13番人気ショウナンバビアナが1着で、1番人気コスモカルナックが2着というワンツーフィニッシュ。これには驚かされたファンも多かっただろう。今週の中山は2頭のみの出走だが、日曜中山8Rには横山武騎手を確保するなど、勝負気配が漂っている。

 2位の池上昌和厩舎は7戦して3勝2着2回、勝率42.9%・連対率71.4%と加藤士厩舎以上の安定度。特に日曜中山8Rに出走するタイセイマーベルは、実績的にも勝負レースといえそうだ。

 この2つの厩舎が突出して好成績だが、注意が必要なのは関西からの遠征勝負厩舎。特に須貝尚介厩舎は3戦2勝、武幸四郎厩舎も3戦2勝と中山遠征で結果を出している。現在行われている中京競馬が左回りなので、右回りの中山を狙って遠征してくるケースは今後も増えそう。これは来週以降も要チェックとしておきたい。


【関西・厩舎】

 最後に関西の調教師を見てみると、こちらは接戦模様。音無秀孝厩舎、池江泰寿厩舎、斉藤崇史厩舎が3勝で並んでいる。池江厩舎は今年の中京リーディングでトップの12勝をあげており、順調なスタートといったところ。逆にこの中京開催が始まるまで中京リーディングだった中内田充正厩舎は、この2週で1勝しかできず池江厩舎に抜かれてしまった。

 4位以下で目立つのは2勝の寺島良厩舎か。この2週で18頭の出走回数は最多であり、かなり力を入れていることがわかる。ただ馬券圏内に好走しているのは条件戦で3歳以上1勝クラスまで、そしてダート戦だ。芝のレースや特別戦はすべて6着以下とかなり極端な成績なので、馬券の取捨にも活かせるだろう。

 さらに連対率57.1%を記録する庄野靖志厩舎と松永幹夫厩舎も要チェック。庄野厩舎は重賞以外で【2.2.1.1】と安定しており、6~8月で2勝しかできなかった不振をこの2週間で挽回して見せた。そして松永厩舎は今週中京に6頭出走と大攻勢。土曜は武豊騎手が騎乗するセランや横山典弘騎手が騎乗するマテンロウスカイ、日曜も2億4000万円のディープインパクト産駒マイシンフォニーやトレデマンドなど粒ぞろい。どんな結果を収めるか必見だ。

 一方で中山への遠征で結果を残した須貝厩舎と武幸厩舎は、ともに中京では未勝利と興味深い。このあたりの厩舎戦略も今後の見どころの一つといえよう。

 以上のようにこの秋好スタートを決めた騎手と調教師を検証してみた。この勢いはまだまだ止まらないのか、それとも下位に甘んじていた騎手や厩舎の逆襲があるのか。残り2週となった中山開催と中京開催に注目したい。

(文=仙谷コウタ)

<著者プロフィール>
初競馬は父親に連れていかれた大井競馬。学生時代から東京競馬場に通い、最初に的中させた重賞はセンゴクシルバーが勝ったダイヤモンドS(G3)。卒業後は出版社のアルバイトを経て競馬雑誌の編集、編集長も歴任。その後テレビやラジオの競馬番組制作にも携わり、多くの人脈を構築する。今はフリーで活動する傍ら、雑誌時代の分析力と人脈を活かし独自の視点でレースの分析を行っている。座右の銘は「万馬券以外は元返し」。

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