
JRA武豊「今後が楽しみ」ソダシ、クロノジェネシス級評価!? 大器ロンの野路菊S(OP)レコード4馬身圧勝が意味するもの
25日、中京競馬場で行われた野路菊S(OP)は、2番人気のロン(牝2歳、栗東・石橋守厩舎)が優勝。武豊騎手が期待するシルバーステート産駒が、4馬身差のレコード更新でデビュー2連勝を飾った。
「いい競馬ができたね」
数多の名馬を知るレジェンドも納得の圧勝劇だった。8頭立て、芝2000mのレース。好スタートを決めたロンはデビュー戦同様、ハナに立つ勢いだったが、武豊騎手は無理せず3番手から。「引っ掛かるかなと心配していたけど、抑えも利いた」と話す通り、向正面では一時中団までポジションを下げるなど、明らかに先を見越した騎乗だった。
「抜け出すときの脚も速かった」
圧巻だったのは、最後の直線のパフォーマンスだ。外からスッと先頭集団に並びかけると、あっさりと先頭へ。武豊騎手が満を持して右ムチでゴーサインを送ると、あっという間に後続を突き放した。
「非常に強い競馬でした。来年のクラシックを強く意識できる内容も然ることながら、特筆すべきはロンが牝馬という点ではないでしょうか。
野路菊Sを牝馬が勝ったのは、2003年のツルマルシスター以来。当時はマイル戦でしたが、スタミナ面で劣ると言われるこの時期の牝馬が、牡馬相手に2000mのオープンを勝ったということは非常に意義があると思います。
野路菊Sは過去5年の勝ち馬が、後に重賞を制している出世レースとして有名ですが、今年のロンも重賞勝ちは十分に狙えると思いますね。今後が楽しみですよ」(競馬記者)
記者が話す通り、この時期の中距離オープンで牝馬が結果を残すことは、大きな出世につながるかもしれない。

昨年は芝1800mの札幌2歳S(G3)で後の桜花賞馬ソダシと、オークス馬のユーバーレーベンがワンツーゴール。10月に行われるアイビーS(L)も芝1800mになった過去7年、牝馬で勝利したのは今秋に日本を代表して凱旋門賞(仏G1)に挑むクロノジェネシスと、2017年のオークス馬ソウルスターリングの2頭だけだ。
「武豊騎手とキーファーズといえば、一昨年にこのレースを勝ったマイラプソディが思い出されます。あの馬も5馬身差で圧勝し、勢いそのままに京都2歳S(G3)を連勝した際はクラシック候補と評されていました。
しかし、翌年の始動戦となった共同通信杯(G3)で1番人気を裏切ってしまうと、当時の期待が嘘のように連敗街道へ……。結局、リズムが戻ることがないまま、今なお復活勝利が待たれているところです。武豊騎手とキーファーズにはあの時の悔しさもあるでしょうし、『今度こそ』という思いは強いでしょうね」(別の記者)
「今日の競馬なら、いろいろ融通が利きそう。今後が楽しみですよ」
レース後、そう総括した武豊らロン陣営が見据えるのは、1600mの桜花賞、2400mのオークス、そして2000mの秋華賞(いずれもG1)からなる牝馬三冠路線。2戦目で確かな進化を示した大器の躍進に注目だ。
(文=大村克之)
<著者プロフィール>
稀代の逃亡者サイレンススズカに感銘を受け、競馬の世界にのめり込む。武豊騎手の逃げ馬がいれば、人気度外視で馬券購入。好きな馬は当然キタサンブラック、エイシンヒカリ、渋いところでトウケイヘイロー。週末36レース参加の皆勤賞を続けてきたが、最近は「ウマ娘」に入れ込んで失速気味の編集部所属ライター。
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