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JRAジャンダルム陣営が犯した「致命的」ミス!? 福永祐一と同時にチャンスもスルリ……、スプリンターズS(G1)惨敗は三冠トレーナーの迷走が決定打?

JRAジャンダルム陣営が犯した「致命的」ミス!? 福永祐一と同時にチャンスもスルリ……、スプリンターズS(G1)惨敗は三冠トレーナーの迷走が決定打?の画像1

 3歳馬ピクシーナイトと福永祐一騎手のコンビが勝利を挙げた今年のスプリンターズS(G1)。2枠4番の絶好枠を味方に、まだまだ馬場状態のいいインから抜け出しての2馬身差は、圧勝といっていいだろう。

 5月に行われたNHKマイルC(G1)を12着と大敗を喫したが、スプリント路線に切り替えたCBC賞(G3)、セントウルS(G2)で連続して2着と好走。ついにG1タイトルを手にするまでに成長を見せた。

 この勝利には、主戦を任されている福永騎手に距離短縮を打診されたピクシーナイト陣営が、アドバイスを受け入れてスプリンターズSを目標に仕上げたことが、好結果に結びついたといえる。

 アドバイスを生かしたピクシーナイト陣営に対し、逆に悪い方に転んでしまったがジャンダルム(牡6、栗東・池江泰寿厩舎)だ。

 実は、この馬にもスプリンターズSで福永騎手が、コンビを組む可能性があったからである。初騎乗だった北九州記念(G3)では、出遅れが応えて1番人気を裏切る7着に敗れたものの、福永騎手は相当な感触を掴んでいたという。

「ジャンダルムには『G1を勝てるポテンシャルがある。ゲート練習すればスタートも問題ないし、本番で1発もある』と陣営に伝えていたみたいです。その段階では、ピクシーナイトのスプリンターズS参戦も確定しておらず、本人もやる気十分だったようです」(競馬記者)

 しかし、ジャンダルムの陣営は賞金的に余裕があるにもかかわらず、セントウルS出走を選択。それもピクシーナイトに騎乗する福永騎手が乗れないため、浜中俊騎手にスイッチしてまで出走したが、またしても出遅れただけの結果となってしまった。

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「五分のスタートが切れていれば、勝っていた。G1を勝てる能力のある馬です」

 騎乗した浜中騎手も本番での勝ち負けを意識するコメントを出したことで、これには競馬ファンのみならず、現場の穴っぽい記者からも評価が急上昇。実際、スプリンターズSで4番人気になるほど盛り上がっていた。

「調教師の焦りもあったんでしょう。中2週続きのローテに加えて、中間はゲートに縛るなどの荒治療。気性的にムラのある馬には、精神的にも辛いメニューの上に、ずっと着けていたブリンカーを外すなどの対策も取っていました。

ただ、これだけ詰め込んだり、変化を施すと大抵は裏目に出るものです。ましてや大舞台で全てが好転するなんて事は過去にもあまりないはずです。結果的にも効果があったのかどうか……」(同)

 ジャンダルムを管理する池江師は、三冠馬オルフェーヴルを育てた実績もあるとはいえ、今が正念場といえそうな現状だ。

 一昨年あたりから若手調教師の台頭もあって、大舞台での活躍は激減している。今年に至っては重賞未勝利と、かつての勢いはなくなりつつある。このまま不振が続けば、2006年から続いている重賞勝利が途切れる可能性も十分だろう。

 今年も残りわずかだけに、重賞を勝つ可能性があるとすればトゥデイイズザデイを筆頭に2歳馬たちかもしれないが、かなり厳しい状況にあるのは確か。

 勿論、このことは本人も自覚していると考えられ、重賞勝ちする絶好のチャンスに思われたジャンダルムのレース選択や調整の“迷走”などに、影響がまったくなかったとは言い切れない。

(文=高城陽)

<著者プロフィール>
 大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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