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福永祐一に肉薄のJRAG1「30勝」、 金子真人オーナーの「ディープインパクト愛」が実ったアカイトリノムスメ秋華賞勝利

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 1995年まで牝馬三冠の最終戦として行われていたエリザベス女王杯(G1)が、古馬へ開放され、1996年に3歳牝馬限定のG1として新設された秋華賞。現在は同レースの後、エリザベス女王杯(G1)へ向かう馬の前哨戦としての意味合いも持っている。

 レースの歴史はまだ長くないものの、それまでの京都から初めて阪神へと舞台を変えて開催された今年。優勝したのは桜花賞(G1)でソダシの4着、オークス(G1)ではユーバーレーベンの2着と、あと一歩のところで勝利を逃していたアカイトリノムスメ(牝3、美浦・国枝栄厩舎)だった。同馬の勝利により、牝馬三冠を達成したアパパネとの同一G1母娘制覇の偉業ともなった。

 人気の面では白毛でアイドル性もある桜花賞馬ソダシに後れを取ったが、ディープインパクト×アパパネという血統的な背景ではアカイトリノムスメも決して引けを取らない超良血馬でもある。

「予定とは違いましたが、あの子はあの子であるなと思っていました」

 アカイトリノムスメが勝利した一方で、大本命のソダシがまさかの10着に敗れたことについては、「残念のような気持ちもあります」と振り返ったのは、9着に終わったワグネリアンの全妹ミスフィガロを含む3頭出しを敢行した金子真人オーナーだ。

 出走した3頭のいずれも両親は、現役時代に金子オーナーが所有していた馬だった。アカイトリノムスメの秋華賞勝利により、同オーナーが手にしたJRAG1はこれでなんと30勝目。これはトップ騎手である福永祐一の31勝と肉薄する1勝差というのだから驚きだ。

 そしてアカイトリノムスメに関しても、金子オーナーのディープインパクト愛が伝わってくる。不受胎や流産もあったものの、初仔のモクレレからその名の通りジナンボー、ラインベック、アカイトリノムスメまで毎年ディープインパクトとアパパネを配合している。

 ただ、全兄3頭はお世辞にもG1級の活躍をしたともいえず、G3すら勝利をできていない状況下。場合によっては他の選択肢もありそうだが、執念ともいえようか。それでも己の信念を曲げることなく、ディープインパクトをつけ続けた結果、初めて牝馬に生まれたアカイトリノムスメがG3のクイーンCどころかG1勝利まで成し遂げてしまった。

 そして、さらに驚きなのは2019年7月に愛馬であるディープインパクトがこの世を去ったが、後継種牡馬として選ばれた相手もまたディープインパクトの全兄であるブラックタイドなのである。

 サンデーサイレンス×ウインドインハーヘアという血統構成は勿論同じ。すでに5番仔となるアパパネの2020、2021も誕生している。

 卓越した相馬眼の持ち主として知られている金子オーナーが選んだ相手だけに、ディープインパクトの後継種牡馬もまた、同馬の兄ということなのだろうか。これからデビューが控えている妹や弟にも注目したいところだ。

(文=高城陽)

<著者プロフィール>
 大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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