JRA逸走の次は「ドン詰まり」、元エフフォーリアのライバルでM.デムーロが大失態!?
30日、東京競馬場で行われた紅葉S(3勝クラス)は、2番人気のアオイクレアトールが勝利。年初は1勝クラスだった馬が今年3勝目を決めて、オープンクラスへ昇級することになった。
2着に4番人気オールイズウェル、3着に3番人気ウイングレイテスト。4頭いた単勝オッズ一桁台の馬が、3着以内に3頭入る比較的平穏な決着だった一方、1.9倍の大本命に支持されながら着外に大敗してしまったのが、M.デムーロ騎手のランドオブリバティ(牡3歳、美浦・鹿戸雄一厩舎)だ。
同馬はかつて新馬戦・芙蓉S(OP)とデビュー2連勝を飾り、一躍世代のトップ評価の1頭に数えられた実力馬。ところが2番人気で臨んだ昨年のホープフルS(G1)で、4コーナーで外に膨れながら逸走するアクシデントによって競走を中止して以降は伸び悩んだ。1番人気で3着に入ったきさらぎ賞を最後にクラシック戦線から脱落し、条件戦からリスタートする身となっていた。
だが再始動となった前走の糸魚川特別(2勝クラス)では、ほとんど鞍上の手綱が動くことなく快勝。復活を印象付ける強いレース内容が評価され、年長馬と同じ55キロを背負いながらも、大本命に推された。
16頭で争われた芝1600mのハンデ戦。4枠7番からスタートしたランドオブリバティは、二の脚の速さで3、4番手につける。半マイル通過46秒3と緩みないペースでレースは流れ、最後の直線を迎えた。
道中はしっかり折り合って手応えが十分だったランドオブリバティだが、四方を囲まれて追い出しができない状況に陥ってしまう。残り300mで隣を走るオールイズウェルが抜け出しを図ろうとしたため、オールイズウェルの後ろに進路を切り替えようとしたものの、今度は新たにトオヤリトセイトに被せられてしまった。
そのため、ランドオブリバティはまたも周りを囲まれてしまい、いわゆる「ドン詰まり」の状態に。結局ゴールまで進路を見つけることができず、不完全燃焼のまま7着と惨敗した。
「単独の2番手から押し切った前走と異なり、今回は馬群の中で脚を溜めるレース。デムーロ騎手も新たな一面を引き出そうとしたのかもしれませんが、結果的に裏目に出てしまいました。
この日からBコースに替わった東京の芝は内を通る馬に有利な馬場状態。勝ち馬も同じく窮屈になるシーンがありながら、インに拘って抜け出したことを考えれば、運が悪かったですね」(競馬記者)
レース後のコメントでデムーロ騎手も「直線で抜け出すスペースができなかったのが残念です」と、敗戦を悔やんでいたが、レースを観戦していた一部の競馬ファンからは、SNSや掲示板を通じて「逸走の次はドン詰まりですか」「ルメールは内を上手く突いたのに……」と、恨み節ともいえる声も上がることとなった。
ランドオブリバティは、翌日の天皇賞・秋(G1)を制することになるエフフォーリアと同じ厩舎で同級生。2歳時には厩舎の双璧ともいわれていた2頭の明暗が、クッキリ分かれることになってしまった。
(文=坂井豊吉)
<著者プロフィール>
全ての公営ギャンブルを嗜むも競馬が1番好きな編集部所属ライター。競馬好きが転じて学生時代は郊外の乗馬クラブでアルバイト経験も。しかし、乗馬技術は一向に上がらず、お客さんの方が乗れてることもしばしば……
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