JRA【ステイヤーズS(G2)展望】横山典弘「27年連続重賞V」へ一球入魂!? 渾身騎乗「再現」でオセアグレイト連覇へ
JRAでも数少ない3000mを超える長距離重賞レースの一つ、ステイヤーズS(G2)が12月4日に中山競馬場で開催される。現存する平地重賞では最も長い3600mのレースで勝ち名乗りを上がるのは果たしてどの馬か。
全5勝を2200m以上で挙げているスタミナ自慢のオルフェーヴル産駒、オセアグレイト(牡5歳、美浦・菊川正達厩舎)が満を持して登場する。
昨年はこのマラソンレースに7番人気で挑み、好位から逃げたタガノディアマンテをアタマ差で差し切った。その後は果敢に有馬記念(G1)にも挑戦し、0秒9差の9着と善戦した。
大目標に掲げた天皇賞・春(G1)は13着に敗れたが、秋の始動戦となった京都大賞典(G2)で6着に入り、叩き2戦目で連覇を見据える。
昨年のレース後には菊川師が「ジョッキーが上手いですね。ジョッキーも気合いが入っていて、昨日も乗っていました」と勝因を語っていた。テン乗りの横山典弘騎手の執念が実った結果だったといえるだろう。
これまで数々のビッグタイトルを獲得してきた横山典騎手は、1995年から昨年まで26年連続で重賞勝利を継続している。しかし、昨年このレースを制覇後は未勝利で、今年はジャパンC(G1)前の時点で35戦全敗。27年連続に向けて残すチャンスは僅か。ステイヤーズSは是が非でも勝っておきたいだろう。
昨年見せた渾身の騎乗で、期待に応えることができるか。
そのオセアグレイトに立ちはだかるのが良血馬カウディーリョ(牡5歳、美浦・堀宣行厩舎)だ。
父は名種牡馬キングカメハメハ、母は現役時代にフローラS(G2)など重賞を3勝したディアデラノビアだ。上にはディアデラマドレとドレッドノータスという2頭の重賞ウイナーがいる。
本馬は5勝のうち3勝を札幌で記録しているいわゆる洋芝巧者。前走・丹頂S(OP)で初めてオープンを勝利したが、過去5度の重賞レースではまだ掲示板にも載ったことがない。
堀厩舎といえば、数年前に長距離レースで無双したアルバートが思い出されるが、ステイヤーズSを3連覇(15~17年)し、さらに17年のダイヤモンドSも制した。第二のアルバートは誕生するか。
昨年の青葉賞(G2)で2着に入った実力馬、ヴァルコス(牡4歳、栗東・友道康夫厩舎)にも注意が必要だろう。
佐々木主浩氏の所有馬としては初めて牡馬クラシックに参戦。日本ダービー(G1)では6番人気で14着、菊花賞(G1)は6番人気で8着と期待を裏切ったが、重賞の1つ2つ勝ってもおかしくない素質の持ち主だ。
伯父にディープインパクトがいる良血で、古馬になってからの飛躍が期待されたが、菊花賞後に球節下の靭帯を痛めて長期休養に入っていた。
ようやく復帰したのは10月末のカシオペアS(L)。さすがにブランクがたたって7着に敗れたが、叩き2戦目で一気に距離を延ばして復活を期す。
トーセンカンビーナ(牡5歳、美浦・加藤征弘厩舎)は、昨年の阪神大賞典(G2)2着、天皇賞・春5着と善戦するも、その後は着外が続いている。その時以来となる3000m超の長距離戦で見せ場を作ることはできるか。
セダブリランテス(牡7歳、美浦・手塚貴久厩舎)は、18年の中山金杯(G3)など重賞通算2勝の実績馬だ。長期休養を挟みながら7歳を迎えたが、まだキャリアは10戦で馬も若い。今年は3戦して惨敗が続いているが、3000mを超える距離は今回が初めてだ。半兄には2年前の当レース覇者モンドインテロがいて、血統的には走る要素はある。
この他には、2走前の京都大賞典で3番人気の支持を受けた素質馬のアイアンバローズ(牡4歳、栗東・上村洋行厩舎)、アルゼンチン共和国杯(G2)15着からの巻き返しを図るボスジラ(牡5歳、美浦・国枝栄厩舎)なども控えている。
冬の中山オープニングを飾る名物レースを制するのは果たしてどの馬か。発走は15時25分を予定している。
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