GJ > 競馬ニュース > 【追悼】ゴールドアリュール  > 3ページ目
NEW

【追悼】悲運のダート最強馬ゴールドアリュール。武豊と目指したドバイワールドカップ。

【この記事のキーワード】, ,

 レース後も順調で3月14日には海外輸送のため美浦の検疫厩舎に入厩して調整が続けられ、出国は3月20日の成田発、シンガポール経由でドバイへ向かうというスケジュール。馬は完全に本格化、順調に調整されて体調は万全、まさに日本馬が世界を制する瞬間は迫っていたが、世界情勢は風雲急を告げていたのである。

 まさに出発当日3月20日に発生したイラク戦争(第2次湾岸戦争)。遠い中東の地とはいえ関係者が懸念していた戦争が勃発してしまった。

 ドバイワールドカップが行われるアラブ首長国連邦は戦場となったイラクと目と鼻の先にあり、当初予定していたシンガポールからドバイへ向かう飛行機は飛べなくなってしまった。3月20日に日本を出発する予定だったが、それが判明したのが出発当日という不運。関係者はあらゆる手段を講じてドバイへの移動を模索したが情勢に変化はなく、また時間も迫っており遠征中止が決断されたのである。

「日本からシンガポールまでは行けるけど、シンガポールからドバイに行く手段がない。ヨーロッパ経由も他のルートも探したけど無理でしたし、レースまで9日しかなくて時間がなかった。本当にガックリ来ました。牧場にとって大きなチャンスでしたし、メンバー的にもチャンスは大きいと思っていましたから。このドバイとフェノーメノの日本ダービー(勝ち馬から23cm差の2着)は本当に悔しかった」(追分ファーム関係者)

 競走馬がピークの状態を維持するのは難しい。ましてはゴールドアリュールは

「池江調教師だけでなく他の調教師も勝てると言ってくれたので期待は大きかった」(同関係者)

 と感じたほどの仕上がりにあった。それだけに関係者の無念さは想像を絶するものだっただろう。

 それでも「来年のドバイ」を目指しゴールドアリュールの新たな挑戦が始まり、1ヶ月後のアンタレスステークス(G3)に出走が決定、59kgの酷量を背負いながら2着に8馬身差の圧勝、あらためて国内ダート最強のプライドを見せつけた。

【追悼】悲運のダート最強馬ゴールドアリュール。武豊と目指したドバイワールドカップ。のページです。GJは、競馬、, , の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。ギャンブルの本質に切り込むならGJへ!

Ranking

5:30更新
  • 競馬
  • 総合
  1. 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
  2. 浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
  3. 「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
  4. JRA「馬が走ってくれません」スタート直後の“レース拒否”に大反響!? 三浦皇成も打つ手なし……未勝利馬がまさかの「自己主張」で1か月の出走停止処分
  5. 皐月賞(G1)クロワデュノール「1強」に待った!? 「強さが証明された」川田将雅も絶賛した3戦3勝馬
  6. JRA池添謙一「2度結婚」「DV不倫」よりも紆余曲折の騎手人生。オルフェーヴル三冠→外国人で凱旋門賞、勝負強さは当代随一だが……
  7. 有馬記念に続き東京大賞典も「記憶力」が決め手…最強フォーエバーヤングから絞りに絞った2点で勝負!
  8. JRAマイネル軍団総帥・岡田繁幸さん逝く。武豊「僕の原点、この馬と一緒に全国区になった」絶体絶命だった天才を世に放った偉大な決断と信念【特別寄稿】
  9. 武豊が社台に干された「曰く付き」阪神JF……”引退説”が囁かれた大スランプの原因「ダンスファンタジア事件」とは
  10. 「世代最強候補」クロワデュノールは本物なのか?ホープフルSで下馬評を覆す最強刺客