【香港スプリント(G1)展望】レーティング首位ピクシーナイトが父モーリスとの“3階級制覇”に挑戦! ダノンスマッシュは連覇に黄信号?
12日には香港のシャティン競馬場で4つのG1からなる「香港国際競走」が開催される。地元・香港勢が隆盛を誇る1200mの一戦、『香港スプリント』には日本調教馬3頭が出走を予定している。
ピクシーナイト(牡3歳、栗東・音無秀孝厩舎)は、活躍著しい3歳世代から誕生した次代のスプリント界を担う逸材だ。
昨秋に1400m戦でデビューし、3戦目にシンザン記念(G3)を制覇。3歳春まではマイル路線を歩んだが、鞍上の福永祐一騎手は当初から一流のスプリンターになると見ていたようだ。
その見込みは見事的中し、CBC賞(G3)、セントウルS(G2)で連続2着に好走。3番人気に支持されたスプリンターズS(G1)では、内枠も味方につけ、ロスのない競馬で好位から抜け出して古馬勢を一蹴した。
父モーリスは15年に香港マイル(G1)、翌16年には香港カップ(G1)を勝っているが、その初年度産駒がスプリントを勝てば、父子による“3階級制覇”となる。
主催する香港ジョッキークラブ発表のレーティングでは、ホットキングプローンと並ぶ「117」でメンバートップ。レース史上初の3歳馬による優勝へ、ピクシーナイトが層の厚い香港勢に挑む。
昨年のこのレースでG1初制覇を遂げたダノンスマッシュ(牡6歳、栗東・安田隆行厩舎)が、連覇を懸けて3度目の香港上陸を果たした。
2歳時から短距離路線でその才能を垣間見せるも、G1では惜敗を繰り返してきた。1年前に待望のG1勝利を手にすると、その後はぶっつけで臨んだ高松宮記念(G1)も制覇した。
ところが4月のチェアマンズスプリントプライズ(G1)ではJRAオッズ1.4倍という圧倒的人気を裏切り、まさかの6着に敗退。さらに得意の休み明けで臨んだ秋初戦のスプリンターズSでも1番人気を裏切っての6着と安定感は影を潜めている。
レーティングこそ「116」で3位タイだが、6歳秋を迎えて昨年と同等のパフォーマンスを発揮できるか。このレースを最後に引退、種牡馬入りが発表されており、有終の美を飾りたい。
日本調教馬3本目の矢は紅一点のレシステンシア(牝4歳、栗東・松下武士厩舎)だ。
デビュー3連勝で2歳女王に輝いてから早2年。その後は好走を続けるも2着が4度と、G1では勝ち切れないでいる。それでも今年は休み明けで阪急杯(G3)とセントウルS(G2)を勝利しており、今回はスプリンターズSから2か月という理想的な間隔で臨む。
厩舎にとってもこれが初の海外遠征。松下師は清水久詞厩舎の調教助手時代にトウケイヘイローの海外遠征に帯同したことがあるが、その時の経験、ノウハウを生かせるだろうか。
レーティングは出走予定13頭中9位の「111」と、やや厳しい評価を受けているが、牝馬だけに悲観するほどではない。持ち前の先行力でアッと驚かせたい。
地元勢の代表格はレーティング首位タイ「117」のホットキングプローン(セ7歳、香港)だろう。
18年から4年連続の参戦で、過去3回の着順は9着、2着、7着。いずれも上位人気に支持されながらも、勝利には至っていない。四度目の正直で戴冠なるか。
ダノンスマッシュと同じレーティング「116」のウェリントン(セ5歳、香港)は、4月のチェアマンズスプリントプライズをG1初挑戦で制覇した実力の持ち主。秋初戦こそ7着に敗れたが、ひと叩きされての効果に期待がかかる。
他には、チェアマンズスプリントプライズ2着のコンピューターパッチ(セ5歳、香港)、前哨戦のジョッキークラブスプリント(G2)を制したラッキーパッチ(セ5歳、香港)などが日本調教馬3頭に立ちはだかる。
今年で23回目を迎える香港スプリントは、12日15時40分(日本時間)に発走予定となっている。
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