JRA「走ります。楽しみな馬です」福永祐一“大絶賛”の3歳馬が大変身!? かつての「重賞1番人気馬」がトンネル脱出したワケ
4日の阪神競馬場で行われた8R・3歳上1勝クラスは、福永祐一騎手の2番人気グロリアムンディ(牡3歳、栗東・大久保龍志厩舎)が優勝。昨年10月の新馬戦以来、嬉しい2勝目を挙げた。
11頭で争われたダート2000m戦。今回が初めてのダート戦となった本馬だが、走り慣れた芝スタートで好発すると、道中は好位外目を追走。3・4コーナーで馬なりのまま進出を始めて、直線入口で先頭へ躍り出ると、後は後続を離す一方で4馬身差の快勝劇を演じた。
1年2ヶ月ぶりの勝利に福永騎手は「もともと力のある馬ですし、いいレースをしてくれました。今日でも抜け出してからは気を抜いていたほど。強かったですね」と、パートナーを褒め称えた。
福永騎手が話す通り、同馬は騎手やファンなどから「高い能力を持った馬」と認識されていた。京都芝2000mの新馬戦では、大外に持ち出されると1頭だけ違う脚色で、鮮やかに差し切り勝ち。当時の福永騎手は「走ります。楽しみな馬です。次は重賞を使ってもいいくらいです」と、太鼓判を押していた。
福永騎手の進言を信じてか2戦目に選んだのが、デビュー戦の6週間後に行われた京都2歳S(G3)。後に重賞を制するラーゴムやワンダフルタウンなどの好メンバーが揃ったなか、グロリアムンディは新馬戦のパフォーマンスを評価されて単勝3.8倍の1番人気に支持された。
まずまずのスタートを切り、2戦目ながらタイトなレースの流れに乗っていたが、勝負所で他の馬に被されて、外へ出せず。直線は窮屈なインコースを通らざるを得ない状況となり、懸命に脚を伸ばすも4着に敗れた。レース後の福永騎手は「うまく乗ることができず、申し訳ありません」と、自身の非を認めるようなコメントを残している。
敗れたとはいえ、スムーズなレースができていれば重賞を勝っていたかもしれない。それゆえ、同馬は3戦目以降も常に1、2番人気に推されるほど、1勝馬ながら注目される馬となった。しかし、京都2歳Sの敗戦を機に長いトンネルへ入ることになる。
「福永騎手が全レース騎乗していることからも、グロリアムンディが高い能力を秘めていることは間違いないと思います。しかし、掴みどころがなく、なかなか勝ち切れない印象があります。
そして、未勝利が続く状況に騎手もモヤモヤしているのでしょうか。3走前、4走前のレース後には『申し訳ないです』と謝罪していますね」(競馬記者)
自身が惚れ込む素質ながら、それを生かし切れないことを歯がゆく思ったのだろうか。それでも福永騎手はグロリアムンディの可能性を信じて、騎乗し続けることを選んだ。それが今回の圧勝に繋がったのかもしれない。
芝・ダートの違いはあったかもしれないが、福永騎手がデビュー戦から絶賛していた大物候補が一変した。今後の動向からも目が離せない1頭になりそうだ。
(文=坂井豊吉)
<著者プロフィール>
全ての公営ギャンブルを嗜むも競馬が1番好きな編集部所属ライター。競馬好きが転じて学生時代は郊外の乗馬クラブでアルバイト経験も。しかし、乗馬技術は一向に上がらず、お客さんの方が乗れてることもしばしば……
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