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JRA朝日杯FS(G1)圧倒的「早熟」厩舎が送り込むセリフォス、「2回に1回勝つ」根拠でC.デムーロ2週連続「裏切り」はほぼナシ?

JRA朝日杯FS(G1)圧倒的「早熟」厩舎が送り込むセリフォス、「2回に1回勝つ」根拠でC.デムーロ2週連続「裏切り」はほぼナシ?の画像1
サークルオブライフ

 先週の阪神JF(G1)は、M.デムーロ騎手の3番人気サークルオブライフが制し、2歳女王へと輝いた。これに対し、19日に阪神競馬場で開催される朝日杯FS(G1)の主役は、牡馬となる。

 ただ、2歳王者となった馬が、そのまま世代最強馬として君臨し続けるのかとなるとそうでもない。古くはミホノブルボンやナリタブライアンのようなケースもあったが、距離体系の整備された近年は、ホープフルSのG1昇格などもあり、あくまで2歳の最強マイラーを決めるといった程度に留まっている。

 そして、今年の1番人気が予想されるセリフォス(牡2、栗東・中内田充正厩舎)もまた、そんな1頭なのかもしれない。

 デビュー勝ちした6月中京から、2戦目の新潟2歳S(G3)で重賞初勝利。3戦目のデイリー杯2歳S(G2)も制して目下3連勝。血統的にもマイルで強いダイワメジャー産駒であり、マイル王に相応しい馬である。

 鞍上は当初予定していた藤岡佑介騎手から、C.デムーロ騎手へと乗り替わるが、大舞台での実績は一枚も二枚も上。続投を視野に入れていた陣営に、オーナーサイドから「鞍上強化」の依頼があったのも仕方がないだろう。降板を告げられた藤岡佑騎手には、気の毒だが、そこは結果こそすべての世界でもある。

 とはいえ、バトンを渡されたC.デムーロ騎手は、先週の阪神JFで1番人気ナミュールに騎乗して4着に敗れたばかり。兄の意地を見せたM.デムーロ騎手に一矢報いるためにも、今度こそ負けられないところだ。

「ナミュールは出遅れもあれば、道中の不利もあり、C.デムーロ騎手の騎乗が致命的な敗因となったわけでもありません。騎乗技術的には世界トップクラスの一人ですから、リベンジする可能性はかなり高そうですよ。

何しろ中内田厩舎は2歳専門といえるほどの好成績を残しているんです。昨年の朝日杯FSもグレナディアガーズで優勝しています。特に注目したいのは2歳重賞の圧倒的な強さです」(競馬記者)

 いわれてみると確かに2歳戦といえば中内田厩舎というイメージが強く残っている。実際調べてみると、想像以上に好成績を残していたため、触れておきたい。

 ちなみにこれは2014年に厩舎を開業してから現在(12日の開催終了時)までの年齢別勝率となるのだが、3歳6.6%、4歳17.9%、5歳11.1%、6歳0%。これに対し、2歳の勝率は55.0%というとんでもない高勝率なのだ。

 つまりは中内田厩舎の管理馬が2歳重賞に出走した場合、「2回に1回」以上は勝っているということになる。矢作芳人厩舎や国枝栄厩舎などの名門を抑え、今年の調教師リーディングトップを突き進んでいる原動力は、2歳世代の活躍ともいえそうだ。

 自身の現役時代は、皐月賞や天皇賞・秋などの中距離G1を制したダイワメジャーだが、産駒の活躍している距離はやはり短距離が中心。馬にとっても厩舎にとっても、ここが全力投球の勝負レースで間違いない。

(文=高城陽)

<著者プロフィール>
 大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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