
JRA「644万馬券」の衝撃! 大波乱起こした二人がディープボンドと「最下位」アサマノイタズラで明暗
26日、中山競馬場で行われた暮れのグランプリ有馬記念(G1)は、横山武史騎手の騎乗したエフフォーリアが、1番人気に応えて勝利。このレースがラストランとなるクロノジェネシスとの二強対決を制し、年度代表馬に大きく前進する3つ目のG1タイトルを手に入れた。
3歳馬による同年の天皇賞・秋(G1)と有馬記念制覇は、2002年のシンボリクリスエス以来の快挙。エフフォーリアは、これで共同通信杯(G3)、皐月賞(G1)、天皇賞・秋、有馬記念と重賞を4勝。3歳馬の年間獲得賞金でも、2011年にクラシック三冠と有馬記念を制したオルフェーヴルに次ぐ歴代2位となった。
そんなエフフォーリアの活躍を前に、一足早く中山競馬場に詰め掛けたファンに衝撃的な結末を届けたのが、7Rの3歳以上・1勝クラス(ダート1800m)の大波乱だ。
フルゲート16頭立てで行われたこのレースは、1着に11番人気ホウオウルバン、2着に13番人気ハイエストエンド、3着にも15番人気トミケンベレムドが入り、上位3着はすべて二桁人気の大穴ばかり。
当然ながら馬連、馬単、三連複は万馬券ラッシュ。三連単に至っては644万3530円という超高額の払戻。他に比べて配当のつきにくいワイドにおいても、3頭の組み合わせすべてが万馬券という、とてつもない荒れ具合だった。

11番人気馬が金星を挙げる大波乱の立役者となったのが和田竜二騎手だ。
レースラップは1000m通過が63秒4。同じく中山ダート1800mの2R・2歳未勝利でさえ、62秒8だったのだから超スローペースといっていいだろう。このまま全馬に動きがなければ、後方待機策を選択した馬は脚を余す展開を免れなかったはずである。
しかし、この流れを察してか、真っ先に動いたのが後方2番手にいたハイエストエンドの田辺裕信騎手。向こう正面から一気に進出して先頭へと躍り出る。そして最後方を追走していた和田竜騎手もまた、これを追いかける格好で2番手へと取りついた。
とはいえ、動いた2頭はいずれもノーマークに近い超人気薄。周りの騎手も気にすることなく、前を行く2頭との差はむしろ広がっていく。最終コーナーを迎えても脚色の鈍らない2頭の「異変」に気付いたときには時すでに遅し。最後の直線でもデッドヒートを演じた両馬が、3着馬を9馬身も離してゴール板を駆け抜けることとなった。
「勝ち馬は前走で15頭中14着、2着馬も前走16頭立ての最下位と、いずれもいいところもなく惨敗していた馬でしたから、この結果には驚かされました。この日は5Rの2歳新馬で三連単70万円も出ていましたが、7Rの644万馬券は断然の高額配当です。
和田竜騎手はメインの有馬記念でも、積極的に勝ちにいく競馬をして、5番人気のディープボンドで勝利まであと一歩の好騎乗を披露しました。強気な積極策はここでも光っていましたね」(競馬記者)
そこで気になるのは同じ積極策で2着に粘り込んだハイエストエンドに騎乗していた田辺騎手だが、こちらは有馬記念で10番人気アサマノイタズラに騎乗して最下位16着に敗れた。
近走では後ろからの競馬をしているとはいえ、スタートからゴールまでずっと最後方のまま、レースを終えてしまったことは残念だ。逃げたパンサラッサがよどみのないペースで飛ばす展開だったのは確かだが、早めに動いた和田竜騎手と明暗を分かつ結果だったといえそうだ。
(文=高城陽)
<著者プロフィール>
大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。
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