JRA 「直線で2回加速」C.ルメールも大絶賛のギアを搭載!? フェアリーS(G3)の注目馬は厩舎も馬主も「絶好調」の高額馬
祝日である10日、中山競馬場で3歳牝馬重賞のフェアリーS(G3)が行われる。このレースで注目したいのは、国枝栄厩舎のエリカヴィータ(牝3、美浦・国枝栄厩舎)だ。
国枝厩舎といえば、昨年12月に行われた阪神JF(G1)をサークルオブライフで勝利し、前年の2着だったサトノレイナスの無念を晴らした。今年はサークルオブライフを中心に牝馬クラシック路線が回っていくことが予想される。
しかしながら国枝厩舎の現3歳牝馬は、実は他にも楽しみな馬が多い。
未勝利戦を圧巻のレコード勝ちで制したウィズグレイスや、2019年の朝日杯FS(G1)を制したサリオスの妹で新馬戦を快勝したサリエラなど多数。どれもクラシックで期待できそうな馬ばかりだ。
フェアリーSに出走するエリカヴィータも、そんな国枝厩舎の期待の一頭だ。今回も新馬戦同様、C.ルメール騎手が手綱を取る。
同馬は、父キングカメハメハと母マルシアーノの間に生まれた。父は言わずと知れた変則2冠馬で、母は高松宮記念(G1)を連覇したキンシャサノキセキの全妹にあたる良血馬だ。セレクトセールでは、1億7000万円という高値で落札された。
デビューは、東京の芝マイル戦。スタートを無難にこなして、道中は中団よりやや前目につけて折り合う。最後の直線では、外の馬に蓋をされそうになったが、ルメール騎手が慌てず外に進路を切り替えて追い出すと、一気に前の馬たちを捕らえ、2着に1馬身半差をつける快勝だった。勝ち時計の1分36秒4は、決して強調できるタイムではないが、まだ余裕を感じさせる内容にも見えた。
レース後、騎乗したルメール騎手は「真面目で能力があります。良いポジションでリラックスして走れました。直線でも2回加速してくれました。1600mでも1800mでも、2000mでも大丈夫です」とコメントした。直線で“2回加速”したという鞍上の言葉は、何とも印象的だ。
また今回の出走メンバーを見渡すと、スクルトゥーラやビジュノワールなど、ルメール騎手が前走騎乗していた馬が他に2頭もいるが、このエリカヴィータを選んでいるあたり、この馬にかける期待の表れだろう。近年のルメール騎手は、アーモンドアイやサトノレイナスなど国枝厩舎の牝馬で好結果を残している点も好材料だ。
さらに冠名「エリカ」や「ジャスティン」などで知られるエリカヴィータのオーナーである三木正浩氏は、昨年ジャスティンロックで京都2歳S(G3)を制し、自身初の重賞制覇を飾ると、暮れのホープフルS(G1)でもジャスティンパレスで2着に入るなど、勢いに乗っている。三木氏が所有する現3歳世代で、1億円以上の高額で落札された馬はほぼ勝ち上がっていて、重賞戦線でも活躍を見せている点も見逃せない。
木曜日の直前追い切りでは、美浦Wコースの3頭併せで5ハロン68秒8-12秒4をマーク。内ロジハービン(3歳1勝クラス)に半馬身遅れたが、外エリカコレクト(3歳未勝利)には3馬身半先着した。国枝師は「やればいくらでも動くけど、体を見ながら少し加減気味の調整。最後まで余力があったし、動き自体はいいよ」(『夕刊フジ』より)と、及第点の内容だったようだ。
同厩舎のG1馬サークルオブライフは、チューリップ賞(G2)に出走予定と発表されているため、エリカヴィータは別路線で桜花賞(G1)へ向かいたいところ。ここを勝って、桜花賞へ名乗りをあげることが出来るか。注目したい一戦だ。
(文=ハイキック熊田)
<著者プロフィール>
ウオッカ全盛期に競馬と出会い、そこからドハマり。10年かけて休日を利用して中央競馬の全ての競馬場を旅打ち達成。馬券は穴馬からの単勝・馬連で勝負。日々データ分析や情報収集を行う「馬券研究」三昧。女性扱いはからっきし下手だが、牝馬限定戦は得意?
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