JRAコントレイル福永祐一でも、ラヴズオンリーユー川田将雅でもない!? 看板馬の引退で苦戦必至の矢作芳人厩舎「逆襲」のキーマンはあの男?

先日、2021年度『JRA賞』の調教師部門で2年連続で最多勝利、最多賞金獲得、優秀技術の3部門を受賞。『厩舎関係者表彰』でも2年連続で関西第1位となり、優秀厩舎賞を受賞した矢作芳人調教師。
またJRA賞競走馬部門でも、管理していたコントレイル、ラヴズオンリーユーが「最優秀4歳以上牡馬」「最優秀4歳以上牝馬」を受賞。昨年行われたブリーダーズC(米G1)では、マルシュロレーヌで日本調教馬による初勝利を挙げるなど、管理馬2頭がいずれも勝利する偉業を成し遂げ、名実とも「世界のYAHAGI」を印象付けた。
そしてコントレイル、ラヴズオンリーユーといった厩舎を代表する名馬が引退して迎えた今年。破竹の勢いで勝利を重ねていた矢作厩舎が、思わぬ足踏みをしている。
2022年の中央競馬が開幕したものの開催4日目まで未勝利。15日に、ようやく今年の初勝利を挙げた。YouTubeチャンネル『netkeibaTV』で行われた直木賞作家・馳星周氏との対談動画では、今年について「これだけ勝った後だから厳しいのは分かっている」と発言をしていたが、そんな懸念が現実になってしまうスタートとなった。
昨年の矢作厩舎といえば、やはりコントレイルの福永祐一騎手、ラヴズオンリーユーの川田将雅騎手とのコンビが印象に残っているファンも少なくないだろう。

しかし実際は福永騎手が7回、川田騎手も17回しか騎乗していない。最も騎乗数が多いのは坂井瑠星騎手の128回。2020年も165回と、厩舎に所属する愛弟子を積極的に起用している。
一方で、その坂井騎手は2019年から30勝、42勝、53勝と毎年勝利数を伸ばし、重賞も3年連続で勝利。15日にはJRA通算200勝を達成し、16日には矢作厩舎へ今年2勝目を届けている。
5日に放送された『ウイニング競馬』(テレビ東京)では、矢作調教師が坂井騎手に「年間100勝以上出来ると思うし、勝ってもらわないと困る」と改めて期待。その坂井騎手は以前から「矢作厩舎の馬でG1制覇」を目標に掲げているようだ。
看板馬が相次いで引退して迎えた今年は、苦戦が予想される矢作厩舎。リーディングステーブル反撃のキーマンは福永騎手でも川田騎手でもなく、間違いなくこの男だろう。
(文=長尾りょう)
<著者プロフィール>
はじめての競馬、ジャパンCで5番人気シュヴァルグランの単勝を当て、競馬にハマる。オルフェーヴルのように強いが、気性が荒く、成績にムラのある馬が大好き。今までで1番忘れられない馬券は、2018年の有馬記念ブラストワンピースの単勝。
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