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JRA池添謙一「一気にポジションが悪くなった」きさらぎ賞(G3)大暴走で最下位…「他の馬に迷惑をかけてはダメ」ベテラン吉田豊「屈辱」の2分間

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横山典弘騎手

 6日、中京競馬場で行われたきさらぎ賞(G3)は、2番人気の マテンロウレオ(牡3歳、栗東・昆貢厩舎)が勝利して、勝ち時計は2:00.5。昨年末のホープフルS(G1)6着馬が、リベンジを狙うクラシックへ大きく前進した。

「今年は調子が良さそうなので頑張りたい」

 勝利騎手インタビューで意気込みを語った横山典弘騎手は、これで今年の重賞3勝目。昨年、重賞勝利が26年連続で途絶えたものの、巻き返しが期待されるシーズンは開幕から絶好調だ。

 その一方、残念な結果に終わってしまったのが、横山典騎手と同じ美浦所属のベテラン吉田豊騎手とショウナンマグマ(牡3歳、美浦・尾関和人厩舎)だ。

 11頭中の10番人気と伏兵扱いだったショウナンマグマだが、それでも前走の葉牡丹賞(1勝クラス)では4着に好走。単勝46.4倍と、見た目ほど期待されていないわけではなかった。

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吉田豊騎手

「あれでは厳しいです……」

 芝2000mのレースで真ん中の5枠5番からの発馬だったが、スタート直後に囲まれるとショウナンマグマがエキサイト……そこから鞍上・吉田豊騎手の苦難の時間が始まってしまった。

 試練は早くも1コーナーでやってきた。ショウナンマグマが並走していたシェルビーズアイを弾き飛ばすように外へ膨らむと、今度はフォースクエアの進路を塞ぐ格好に。さらに外へ出たことで前の馬がいなくなると、ショウナンマグマが一気に加速。コーナーを曲がり切れずに、完全に逸走という形になった。

「やや外目、5番のショウナンマグマ、馬群の外に出しながら5番手追走です」

 オブラートに包まれた実況をされる中、何とか向正面を迎えたものの、馬群から大きく外へ離れた位置を“独走”するショウナンマグマ。1頭になったことで落ち着いたのか、3コーナー入り口でなんとか隊列の最後方に戻ったが、時すでに遅し……。最後は前から10馬身離れた最下位に終わってしまった。

「ショウナンマグマ陣営にとって厳しい結果になりましたね。正直、今日は競馬どころではなかったと思います。吉田豊騎手もレース後に『口向きに難しいところのある馬』と話していた通り難しいところがある馬ですが、ここまでのキャリア3戦では、今回のような『競馬にならない』ということはなかったんですが……。

コーナーを曲がり切れませんでしたが、新潟でデビューして、東京の未勝利戦を勝ち上がっていることからも左回りがダメというわけではなさそう。やはりスタート直後に周囲を囲まれたことでエキサイトして、元々の口向きの悪さが大きく顔を出してしまったことが原因かもしれません」(競馬記者)

 レース後、1コーナーで接触したシェルビーズアイの松田大作騎手が「不利もありましたが、いい感じでは運べました」と言えば、進路を塞がれる形になったフォースクエアの池添謙一騎手に至っては「ショウナン(マグマ)に挟まれて、一気にポジションが悪くなった。最初からあのポジションと、下がってあのポジションでは違いますから」と、不利を直接的な敗因に挙げている。

 なお、JRAからは「1コーナーで外側に斜行した」ことについて吉田豊騎手へ戒告処分。「1コーナーから2コーナーにかけて外側に逃避した」ことについて陣営に平地調教注意が下っている。

「他の馬に迷惑をかけてはダメですね……。あれでは厳しいです」

 レース後、そう反省の弁を口にした吉田豊騎手。キャリアの浅い若駒が集まった3歳限定戦とはいえ、後味の悪い決着となってしまった。

(文=銀シャリ松岡)

<著者プロフィール>
 天下一品と唐揚げ好きのこってりアラフォー世代。ジェニュインの皐月賞を見てから競馬にのめり込むという、ごく少数からの共感しか得られない地味な経歴を持つ。福山雅治と誕生日が同じというネタで、合コンで滑ったこと多数。良い物は良い、ダメなものはダメと切り込むGJに共感。好きな騎手は当然、松岡正海。

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