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JRA武豊「三冠」パートナー以上の大物感、「こんなに離して勝てるとは」初コンタクトの鞍上も驚いた完勝! 春G1で不気味な実力馬に下剋上の予感

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JRA武豊「三冠」パートナー以上の大物感、「こんなに離して勝てるとは」初コンタクトの鞍上も驚いた完勝! 春G1で不気味な実力馬に下剋上の予感の画像1

 小倉で負けるわけにはいかない。そんな声すら聞こえてきそうな走りを披露した。

 20日、小倉競馬場で行われた小倉大賞典(G3)は、横山和生騎手の1番人気アリーヴォ(牡4、栗東・杉山晴紀厩舎)が優勝。昨年の菊花賞(G1)にも出走した素質馬が、待望の重賞初勝利を挙げた。

「ハンデ戦とはいえ、重賞を勝ち切った勢いは本物だと思います。このまま成長してくれれば楽しみです」

 大外から豪快に突き抜けた勝利を振り返った横山和騎手もパートナーのポテンシャルの高さを再確認。これまで勝ったときも着差こそ少ないが、見ていて余裕があったとコメントしたが、「こんなに離して勝てるとは思いませんでした。この馬が成長してくれていると思います」と好感触だった。

 これで小倉は5戦無敗。すべての勝利を小倉で挙げている成績からも、無類の小倉巧者といえるだろう。

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武豊騎手

 その一方で、オールドファンが思い浮かぶ小倉巧者といえば、武豊騎手とのコンビで名を馳せたメイショウカイドウではないだろうか。

 同馬は全11勝のうち8勝が小倉。他にも史上初の同一年度小倉三冠をはじめとする重賞5勝のうち4勝を小倉で挙げており、小倉重賞4勝は歴代最多記録である。「小倉の鬼」「小倉の帝王」といわれるほど得意にしていたが、小倉以外では関係者が「分からない」「理解に苦しむ」と評した敗戦も珍しくはなかった。

「小倉を愛し、小倉に愛された」馬は、引退後に小倉競馬場の誘導馬に転向。2008年にデビューした際はお披露目式。17年には引退式も行なわれたように、ファンや関係者からも愛される存在だった。

 そんな大先輩を思い起こすアリーヴォだが、残念なことに「小倉三冠」の再現については、現実的ではなくなってしまった。当時は芝1800m戦だった北九州記念(G3)が、06年から芝1200mのスプリント重賞へと生まれ変わり、「小倉三冠」の呼称自体が使われなくなったからである。

「いやあ、これ強かったですよ本当。8枠16番の大外からスタートでしたが、道中はずっと外々を回る競馬でした。最後の直線でも外を回していたくらいですから、走った距離は1800mどころではなかったはずです。

馬場の内側が荒れていたとはいえ、あれだけ距離のロスがありながら、抜け出してからまだ余裕がありました。ゴール前なんて新潟の千直みたいになっていましたよ。これだけやれるなら、ただの小倉巧者では収まらない気がします」(競馬記者)

 ハンデ54キロの恩恵もあったとはいえ、レース内容は重賞の壁を感じさせないだけの強さも垣間見えたアリーヴォ。このまま小倉巧者のままで終わるのか、他場でも勝利を掴むことが出来るのか。

 この勢いが本物なら、春G1で台風の目となることもあるだろう。次走以降で真価が問われることになる。

(文=高城陽)

<著者プロフィール>
 大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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